【七曜ストーリー - ラスボスからはじまる一週間。】

梓馬みやこ

1.はじまりの七曜‐魔王、月曜日

月曜日。


それは平日通学・通勤の誰にとっても、憂鬱になりがちな日。


朝から布団から出たくない、冬になって寒くなればもっと出たくない。

月曜の朝っぱらから、テンション高いやつ何なの?

一週間もつの?


だるい。


そんな様々な気持ちを抱えながら、かかりきってないエンジンをあたため始めなければならない日でもある。


なのに、やつはやってくる。


「ふはははは! 今日から一週間、週末を平穏に過ごしたくば私を倒していくがよい!」


一年52週間。

ほぼこの回数をこんな感じで、何の罪もない一般市民の前に立ちふさがる魔王、月曜日。


大抵の人の一週間は、始まったばかりなのにこのラスボスをぶち倒すことからから始まる。



「先週はしてやられたが、今週はそうはいかぬぞ! 平穏無事に過ごしたければ私を超えていけ!」


なんだかんだ言って、人は生きていく。

そんなわけで、大体1年52週間。こんな展開になっていく月曜日。


めげない。


「先週はよく我を超えて行った。しかし今週こそそうはいかぬ!」

「明日、火曜日(わたし)休みだから。今週はいつもより楽なんじゃ?」

「……!」


時々は。

祝日なんてものが間に挟まっていて、月曜日のラスボス形態が無効・弱体化されることもある。

同胞の、火曜から金曜。

平日たちの手によって。



……ラスボスやめようかなー



月曜日は思った。


* * *


「よくぞ来た。今週こそは五日連続平日ぞ。無事に過ごしたければ我が試練を超えていけ」


そんなわけで、翌週は早々にジョブチェンジしてラスボスから「試練」になってみた。

そっちの方がなんか、かっこいい。


見た目のイメージも、なんか、ヒト型でゴツムキのおっさんが最終形態やってたみたいだったのも、試練になると不思議と品が出る。

見た人によっては無駄に美形か、白き賢者とかそんな感じになってるかもしれない。


この路線で行こう。

月曜日は思った、が。


「あ、今日休み? じゃあオレ、久々にバカンス行ってくる。……月曜が休みだと、なんか嬉しいよな」


ついにやってきた月曜祝日。


度重なる己の試練に、最終的には自分が休みだと遊びに行く、単なる柔らか頭のイケメンへと進化していくのだった……

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