第19話 「あ」 アーフィルオロ視点

私は少し湿気た髪でベットに座る。

彼、颯颯 疎について思うことがある。

なぜ劣等生なのに絶望をしたような目をしていなかったかだ。

そして今日、デバイスの役割と決闘の重大さを聞いてわかった。

そんな情報をどこで手に入れたのかわからないが信用するべきだと思う。

手に入れるために必要なことだと思うから。


私が卒業するまでに手に入れないと、実家に戻って親を認めさせないと。

私の親はお金持ちだ、そして母の家系はアルビノが多くそして優秀。

私だけアルビノなのに次女だから姉が継ぐことになっている。

私が継げる方法は私の方が優秀であると親に認めさせること。


けれど小学校から気持ち悪がられた。

家ではそんなことがないのに。

この学園に入って予想通り気持ち悪がられ、私はスキルの練習をしていた。

スキルは家族の中でも私だけなのでより優秀であることが証明できると、

私のスキルは『空(エアロ)』だ。

練習がてら屋上に行った時、疎に出会った。

差別をしないから、私は興味が湧いた。

この二日だけで疎の優秀さが分かった、手に入れれば絶対に継げると。


そして私はカレンダーを見る。


「あ」


私としたことが明日が土曜であることを忘れていたわ。


デバイスを取り、メールモードにして疎に送る。


『ごめんなさい、明日土曜日でしたね、明日の四時にカフェで』


『わかった』


すぐに返信される。

早い、仕事も早いのかな。


スキルは弱いはずだから勝てるだろう。

上手くいくはずだ。


私は寝ることにした。











手に入れるのではなく手にいれられるのだから。


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