第32話おまけ1
「ポストに、俺とシルヴァ宛に手紙が届いていたんだが、心当たりってあるか?」
「ない」
「だよなぁ……誰が送ってきたかもわかんないし」
ある日の朝。迷宮に行く前の待ち合わせの後の話だ。
いきなり、薬屋から謎の手紙について話された。
「ラブレター?」
「だったらいいんだけど、俺とシルヴァ宛なのにラブレターだったら送り主は感性死んでると思うぞ?」
「じゃあ、ラ
「絶妙にむかつくニュアンスに変わったんだが」
「……とりあえず、開けば?」
「まあ、それもそうだな。いきなり燃え上がったりする訳でもないだろうし」
え、待てよ。異世界には燃える手紙があるのか?
あの、フィクションとかでよくある、読み終わったら自動で燃えるみたいなやつ!?
かっけー!
超見てみたい。
「……燃えないかな」
「ワクワクドキドキするのはいいけど、俺の手の心配もしてね?」
「大丈夫。死なない」
「戦いを仕事とする人にとっては手の大きな怪我は社会的な死なんだよなぁ……」
「パン屋さん?」
「もう再就職先決める段階なの!?速くない?」
「大丈夫、あっとほーむで、風通し、良し」
「そこはかとないブラック企業感がやばい!?」
「会話パート、長い……いい加減、手紙読む」
俺は薬屋の手から手紙をパシリと奪うと、封を切って手紙を取りだした。
そして、手紙を薬屋に返す。
「はい」
「あ、俺が読むのか」
「うん」
「お前が読めばいいだろ」
「キャラ的に、無理」
「今日は随分メタなこと言うなぁ!?」
「閑話、だから」
閑話だから仕方ない。メタも入っちゃう。
だって閑話だもの。
それに、最近シリアスな会話ばっかりだったからウキウキしてるんだよなー。
「んじゃあ、読むぞ?ええっと、『えー、挨拶は省略して言いたいことをズバッと言います。』……いや、誰だよお前」
「これは……!?」
「シルヴァ、なんかわかったのか?」
「これは、閑話あるある」
「閑話、あるある?」
「作者からのメッセージ、あるあるすぎ」
最早手垢のつきまくった手法と言ってもいいぐらいあるあるだ。
なんか、キャラへの感謝の文章みたいな、痛いのが書いてあるんだろう。
よくあるよくある。
「えっと……よく分からんけど、続き読むぞ。『一章が終わったわけなんだけど、こんなに更新が遅くなったりするのは、お前らのミスが多いせいだ!』って何言ってんだこいつ」
「ミスが多い……?」
「なんか、俺らがミスが多すぎるせいでこんなに時間がかかったり、すあまさんの『あなたの小説に疑問をぶつけていいですか?』でボロクソに言われるんだ!みたいなこと書いてあるぞ」
「でも、次の企画にもお願いしてる」
こいつ、そのあとの『すあまの実況読書感想文!!』でも、お願いしてるぞ?
ドMなの?俺らの作者??
すあま様を始め様々な講評をしてくれた皆様、さんざんネタにさせていただいてますが、感謝しております。
いつもいつも本当にありがとうございます。
……っは!俺は何を……?
「これで一枚目の手紙は終わりで、二枚目はミスの場所が書いてある……ああ、確かにあったなーこれ!」
なんだか一瞬止まった後に大きな反応したぞ?
「ミスって?」
「多分これ、説明するより見た方が早いと思うぞ?……って訳でまずはOKシーンから、どうぞ!」
↓↓↓
「ところでさ、このウォーハンマー持てんの?」
俺がこれからの無双生活について考えてながらニヤニヤしていると、薬屋が夢のない話をしてきた。
これだから残念イケメンは困る。
「俺たちの冒険はこれからだ……え、なんて?」
「そのセリフ打ち切りしちゃう時まで取っとけって。そうじゃなくて、このウォーハンマーめちゃくちゃ重そうだけど持てるの?っておもってな」
「モテる?」
「モテはしないんじゃないか?……そうじゃなくて持てるか、だよ」
まぁ実際はモテたい以前の問題なんですけどね……じゃなくて、あんまり俺の固有スキル様を舐めないでいただきたい。
これで持てなかったらもうそれはただのゴミスキルっ!
俺は王者の風格を全身に纏い、ウォーハンマーの持ち手に手を掛けた。
ふふふ、見てろよ薬屋。これがシルヴァちゃん伝説の始まりだ。
「ふんぬっ!」
ハンマーは微動だにしなかった。
あ、あれ?おかしいな。一ミリも動かない?そんな馬鹿な。
「ふぬぬぬぬ……っ!」
いくら力を入れてもうんともすんともしない。これ本当に動かせるやつ?実は破壊不能オブジェクト的な何かだったりする?
俺がウォーハンマーと熾烈な争いをしていると、薬屋が苦笑いをして話しかけてきた。
「やっぱりなー。俺がギリギリ両手で持てるようなもんだもんな。言っちまえばこれ鉄の塊みたいなもんだからな?シルヴァみたいなちっちゃいやつに持てるわけないよなぁ……あーお金どうしよう?」
そのつぶやきをきいて、俺は少しムッとなった。
俺はまだ本気を出していないだけなのだ。多分。
そうして薬屋に怒りを覚えたその瞬間に、
「ふんぬのおぉぉ!?」
「ふおおおっ?!」
俺の振り抜いたウォーハンマーがちょうど反対側にいた薬屋の真横の地面に突き刺さった。
ハンマーを持ち上げられたのだ。それどころか結構なで振り上げることができた。
ど、どういうこと……?
ま、まあとにかく、薬屋に痛い目見せられたからミッション達成フルコンボだドンだ。
↓↓↓
「このシーンは……?」
「えっと、五話の、『ふんぬのおぉぉ!?』の、冒頭部分だな。こんなこともあったなぁー!」
「ん、なつかしい」
ウォーハンマーを始めて持った時のことだよな。確か、固有スキルが発動して薬屋にぶつけかけたところ。
で、ここが何だっていうのだろうか。
「で?」
「お次は、ここのミスシーンだ。それではどうぞ!」
↓↓↓
「ところでさ、このウォーハンマー持てんの?」
俺がこれからの無双生活について考えてながらニヤニヤしていると、薬屋が夢のない話をしてきた。
これだから残念イケメンは困る。
「俺たちの冒険はこれからだ……え、なんて?」
「そのセリフ打ち切りしちゃう時まで取っとけって。そうじゃなくて、このウォーハンマーめちゃくちゃ重そうだけど持てるの?っておもってな」
「モテる?」
「モテはしないんじゃないか?……そうじゃなくて持てるか、だよ」
まぁ実際はモテたい以前の問題なんですけどね……じゃなくて、あんまり俺の固有スキル様を舐めないでいただきたい。
これで持てなかったらもうそれはただのゴミスキルっ!
俺は王者の風格を全身に纏い、ウォーハンマーの持ち手に手を掛けた。
ふふふ、見てろよ薬屋。これがシルヴァちゃん伝説の始まりだ。
「ふんぬっ!」
ハンマーは微動だにしなかった。
あ、あれ?おかしいな。一ミリも動かない?そんな馬鹿な。
「ふぬぬぬぬ……っ!」
いくら力を入れてもうんともすんともしない。これ本当に動かせるやつ?実は破壊不能オブジェクト的な何かだったりする?
俺がウォーハンマーと熾烈な争いをしていると、薬屋が苦笑いをして話しかけてきた。
「やっぱりなー。俺がギリギリ両手で持てるようなもんだもんな。言っちまえばこれ鉄の塊みたいなもんだからな?シルヴァみたいなちっちゃいやつに持てるわけないよなぁ……あーお金どうしよう?」
そのつぶやきをきいて、俺は少しムッとなった。
俺はまだ本気を出していないだけなのだ。多分。
そうして薬屋に怒りを覚えたその瞬間に、
「ふんぬのおぉぉ!?」
「ふおおおっ?!ぐぺっ」
俺の振り抜いたウォーハンマーがちょうど反対側にいた薬屋の真横の地面に……あ、頭蓋骨われたなこれ。
頭に当たっちゃった。えっと、てへぺろ?
↓↓↓
「いやてへぺろじゃねーよ!俺死んでるじゃん!?」
「そんなひも、ある」
「簡単に死ぬ日があってたまるかっ!」
なるほど、こういうことか。
本編のミスシーンが晒されていくのか。文字数稼ぎに作者が考えそうなことだな。
まあ、ノベプラコン、八万字も書かないといけないからな。
てか、俺こんな失敗したっけ?
「こんな失敗、した?」
「いや、覚えてないのかよ!」
「うん」
「ええー……次行くぞ?ああ、こんなミスもあったなー」
「まだあるの……?」
↓↓↓
俺がそんな屑魔晶核を拾うと、薬屋がこちらへ来た。
「ったく、相変わらずお前の殺し方はエグいな。魔晶核割れてもおかしくなさそうだよ」
「最終的に壊れてないからもーまんたい」
「とはいえ、素材が売れるような魔物と戦っててもこの戦い方じゃ、かなりもったいなくないか?ハンマーの逆側だって、綺麗に殺せるとは言い難い形してるぞ?」
「多分大丈夫。もし駄目でもその時にはまた別の武器を買えばいい。まだしばらくはここで狩るんでしょ?」
「まあ、そうなんだけどな。ここらへんにいる魔物は金になるの魔晶核だけだから割に合わないんだよなー普通は」
「普通はとは。おっけー薬屋」
「なんだその掛け声。あー普通は、こんなに一日で殺せるもんじゃないんだよ。うろうろ探し回っていつもの半分も殺せてれば全然いい方だ。……なあ、どうやって魔物見つけてるんだ?」
どうやって、と言われても特に意識したことはないが強いて言うなら……
「おと」
「音?音でどうやって探るって言うんだよ」
「生き物が生きるときは、音が絶対になる。落ち葉を踏む音とか、枝が折れる音とか。そう言うのに向かって歩いたら魔物がいる」
「なるほど……って嫌、普通聞こえねえよ」
↓↓↓
これは確か、六話の『聞こえるから聞こえるの。』だよな?
「ミスる要素、ある?」
「あるぞー?それでは、ミスシーン どうぞ!」
↓↓↓
俺がそんな屑魔晶核を拾うと、薬屋がこちらへ来た。
「ったく、相変わらずお前の殺し方はエグいな。魔晶核割れてもおかしくなさそうだよ」
「最終的に壊れてないからもーまんたい」
「とはいえ、素材が売れるような魔物と戦っててもこの戦い方じゃ、かなりもったいなくないか?ハンマーの逆側だって、綺麗に殺せるとは言い難い形してるぞ?」
「多分大丈夫。もし駄目でもその時にはまた別の武器を買えばいい。まだしばらくはここで狩るんでしょ?」
「まあ、そうなんだけどな。ここらへんにいる魔物は金になるの魔晶核だけだから割に合わないんだよなー普通は」
「普通はとは。おっけー薬屋」
「なんだその掛け声。あー普通は、こんなに一日で殺せるもんじゃないんだよ。うろうろ探し回っていつもの半分も殺せてれば全然いい方だ。……なあ、どうやって魔物見つけてるんだ?」
どうやって、と言われても特に意識したことはないが強いて言うなら……
「おと」
「音?音でどうやって探るって言うんだよ」
「生き物が生きるときは、音が絶対になる。落ち葉を踏む音とか、枝が折れる音とか、靴が潰れる音とか、洋服の衣擦れの音とか、呼吸音と……」
「多すぎるだろ!?」
↓↓↓
「いや多すぎるだろ!?」
「薬屋が、「なるほど……って嫌、普通聞こえねえよ」って言ってくれれば、このミスはなかった」
「いや、言いたくても言えないぐらいの例の量の多さだったからな?」
「……ていうか、こんなミス、したっけ?」
そこが疑問なのだ。さっきのもそうだけどこんなミス、した覚えないんだよなぁ……
「あ、もう一枚ある……っと、今度は俺のミスか」
「楽しみ」
俺のミスばっかりボロクソに言いやがって、ふふふ、次のミスシーンが楽しみだ。
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