第6話 月曜日



「ほんだらすんません、今日からよろしくお願いします。嫁も今日からパートに行きよるし、ほんま、このご恩は忘れません」


「いやいや、そないたいそうに言わいでもよろしって。わても一人で寂しかったさかいにな、トモコちゃんと遊ばせてもらいますわ」


「それじゃあこれ、弁当とおやつですんで。そやけど神さん、ほんまにお金、よろしいんですか」


「お金……ね、なんか貰うとやらしいし。よろしよろし」





「ほんだらトモコちゃん、今日からここで、おっちゃんと一緒に遊ぼな」


「うんっ!」


「何して遊ぶ? 何かしたいもんある?」


「ゲーム」


「そんなもんあらへんて。ほんだら、ま、お話でもしよっか。な、そうしよそうしよ」





「ああ、もうお昼やな。トモコちゃん、お弁当食べよ、お弁当。お昼やさかいにな。お母さん、何作ってくれたんかな、楽しみやなあ。

 ……何それ、ひょっとしてインスタントのカレーかいな……お母さん、お弁当作ってくれへんかったん? 赤いウインナーのタコさんとか、そんなん作ってくれへんかったん?

 はあ、ないの。

 ほんだらまぁ……しゃあないなぁ……そやけど、そらやすついてええやろけど、こんなん子供に食べさすんかいな、きょうびの親は……

 トモコちゃんご飯は? あっためてあげるから、ご飯って……これかいな……

 確かにご飯やけどトモコちゃん、これ……黄色いで……はぁ、昨日のホカ弁の残りのご飯……あんた、えらいもん持ってきたなあ!

 それにトモコちゃんこれ……昨日……トンカツ弁当やったんか……そやろなあ、トンカツのソース残ってるし。

 トモコちゃん、あんたいっつも家で、こんなんばっかし食べてるんかいな」


「うん。お母さん料理下手やし、あんまり作ってくれへんよ」


「あんたもたくましいなぁ。そやけど育ち盛りの子供なんやさかい、もうちょっと栄養のあるもん食べさしたらんとあかんで……

 トモコちゃん、こんなんやったらな、まだおっちゃんが作るお昼の方がましやろうからな、明日からはおやつだけ持っといで。な」



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