第3話 手紙でそう言われても

 私は手紙を読み終えてちょっとだけ考えている。まあ、あることないこといろいろ書いてあったけど、全くの誤解です。うーん。それに最後の、貴女を迎えに行きます、ですって? 私はエリック王子の顔を思い出す。ちょっとだけ、胸キュンする私。いやいや、私、手紙でそう言われても。けれども一目だけでいい。もう一度エリックの顔が見たい。

 私は今日は窓から外の通行人を見ている。もう、エリックったらまだかしら? うん? ちょっと待って? あの男性二人、仲良く話しているわ! イケメンとイケメンの組み合わせ、たまりませんな♡ ほら、私の見ている間にもっとイチャイチャしてください。うへへ。

 すると、いきなり家の玄関が開いた。え? あれ、エリック王子? あ、ヤバい。私、ボーイズラブの妄想をしていたから、ヨダレが。私は急いでヨダレを拭いた。

「さあ、貴女を迎えに来ましたよ」エリック王子が私にそう言った。


続く

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