嘔吐ポイエーシス

中貝勇一

うたのうた

おまえのおっぴらいた目と

俺の丸まった肩とに

うたが凝縮されている


どうしようもなさをどうしようもない俺がどうしようもなくうたう


太陽が

ほくそ笑むかのように

輝いてしまっている

俺が苦しんでいるときに限って


気だるさは気だるさで気だるさを気だるげに気だるくさせる


俺のからだが空っぽになるとき

おまえのこともめでたく忘れられるだろう

苦々しくも苦しいうたをうたった先のいつか


吐き出せど吐き出せど吐き出したものを見て俺はまた吐き出す


ああ 天を飾る雪は

すっかり降りやんでいる

かなしみを覆い隠すものよ

早くこの地も飾ってくれ……


祈ることを祈る祈りはどんな祈りよりも祈られるべきであって


うたが凝縮されている

俺の剥がれゆく細胞と

記憶の中の無数のおまえとに

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