毒と無垢

 きみを殺さないように、毒を砂糖水で薄めて飲み込む。月夜に光るグラスが滲んで、滑り落ちて崩れた。最後までやさしくなれなくてごめんね。淡いまま終わる身勝手な恋、それでもこれを、愛と呼びたかった。来世ではどうか出会いませんように。何度の輪廻を越えても、どうかきみは、無垢で柔いままで。

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