どうやら私はヤバめのバイトに就いたらしいです。

生焼け海鵜

一章

0話

「ユーくん大好き」

 そう言って、手を添えてきたのは縁。

「俺もだよ」

 側から見ればただのカップルだろうが厳密には違う。

 カップルと言えばカップルだが、俺は雇われの身の高校生だ。

 彼女の介護のアルバイトをしている。そう言った方が簡単だろうか?

 まぁいいが、何故か彼女いない歴と人生が等しかった俺に色々あって彼女が出来た。

 雇い主兼俺の彼女の縁。

 ちなみに縁は元子役だ。今は中学生になって引退したらしいが、貯金がかなりあるらしく俺を雇うことができているそう。

 いやぁそれにしてもおかしな事だな。

 何がおかしいって、採用試験の時。介護士やらの資格を持ってる成人男性とかも試験にいたのに何故、俺を選んだのか全く検討がつかない。

 でも今となってはどうでもいい話か。

「マスター今日はどうしますか? どこに行きたいですか?」

「水族館に行きたい!」

 元気よく返事をした縁。

 フッ化水素酸が蝕んだ足を持つ少女は笑った。

 フッ化水素酸

 強い腐食性を持つが工業において重要な物質。

 毒物として扱われる。

 

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