第4話 変化

 ボタンを押しましたが、しばらくの間は何も変化はありませんでした。ただ、この真っ暗な世界の裏側で、何かが動いているような気がしてなりませんでした。僕はすこしの間じっとしていると、突然真っ白な光がこの世界を包みました。とても強烈な光で、目の前が真っ白になりました。今までずっと闇の中にいたので、強い光で目がくらんだのでしょう。目の奥がすこし痛いです。急激な環境の変化に、うまく適応できなかったのでしょう。ただそれでも、いくらかこの環境で過ごせば、目の奥の痛みも弱くなり、あたりを見ることができました。僕たちは、すこしの間だけ我慢すれば、今までとは異なった環境にも上手く適用できるものなのかもしれません。そして僕の目の前には、真っ白で何も無い世界が広がっていました。さっきまであったはずの壁もボタンも、どこにもありません。

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