第3話 未知のボタン
僕が手を動かすと何かが当たりました。おそらく僕の手に当たったものは壁ではないかと思います。真っ暗なので確かな事は言えません。ただこの状況で確かな答えは必要ないでしょう。僕の手に当たったものが、僕と真っ暗な世界とをつなぐ、唯一の物なのですから。僕は手に当たった物へと体を寄せました。そして両方の手でそれを触りました。両方の腕を動かしながらその存在を確認します。それは平らでした。やはり壁なのかもしれません。真っ暗な部屋の中にいるのかなと思いました。僕は壁を触りながら電気をつけるスイッチがないか探します。すると出っ張りを感じました。丸い出っ張りです。何かのボタンかもしれません。ボタンを押すと何かが始まりそうで少し不安を感じました。ただ押さなければ、今までと何も変わることのない真っ暗な世界のままです。僕はボタンを押すことに決めました。
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