毛布とファンタジー
スヌーピーというキャラクターがあります。
これは、米国のマンガ家、
チャールズ・M・シュルツの生み出したキャラクターで、
「ピーナツ」というマンガシリーズの主人公。
ライナスは、これに登場する男の子のキャラクター。
彼は、いつもお気に入りの水色の毛布を引きずって歩いています。
ライナスくんと毛布は寝るときも遊ぶ時もいつも一緒。
実はあの「ライナスの毛布」は、
漫画だけの話ではなく、実際の子どもにもよく起きる現象です。
「ライナスの毛布」は、子どもが眠いときや不安なとき、握りしめたり匂いをかぐと安心するため、心理学の世界では「安心毛布」と呼ばれています。
「ライナスの毛布」は、乳児期の守られた環境から、
現実世界へ一歩踏み出す前の、
自分を守ってくれる大切なバディのような役割を果たしているようです。
(https://linus-ca.com/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8/)
これで思い出したのですが、ここ30年以上続くファンタジー流行も、
ライナス毛布と関係があるかも知れません。
というのも、現実世界はすでに「握りしめたり匂いをかいで安心する」
という母なる自然の温かさを失ってしまい、
人工的・機械的・プラスティックな無機質さが席巻していますから、
自然の残るファンタジー世界へ
若者が雪崩を打って傾倒するのは、
ムリもないかもしれないと思うのです。
核家族化が進んだ結果、子育てについて親世代への負担は、
経済的にも、心理的にも増すばかり。
男も女もラクに働けなくなったし、
コロナで将来も不安になった。
ライナスの毛布のように、優しくそばにいてくれる
そんな存在としてのファンタジー。
逃避したくなる現実世界の厳しさ。
立ち向かえるだけの気概が、
子どもたちから失われたからかな。
ひよわになったもんだね。日本の将来が気になるわ。
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