4話 汚い(げす)集会

「さて、いよいよ優勝者の発表だ!」

巨大なモニター画面に映る、上級国民の候補者。その嫁になるべく集まる大勢の女性


ポセイドン

獅子唐 歴馬

桜ヶ丘 由示亜


「・・とその前に」


「後悔しないためにもっ!」

学園リーダーの、楽田が言う。


「ここで、ロスタイムをあげよう!」


「・・ここだけの話~1位と2位の差は・・なんと」

「たったの100票だ!」


えーっ!?

会場がどよめく。


「そこで」

両手指を開いて。


「あと10分あげよう!」


「その時間内なら!投票し放題だ!」


きゃー!


「しかも、この10分に限り―、コイン、出世払いが可能だあ!」


1コイン = 1円

1票 = 1000円


きゃー!


「負けないように、どんどん投票しようぜえ!!」


1候補者 ー獅子唐 歴馬の目線ー


・出世払い


投票した者が、将来もし上級国民になれば全てがチャラになる、いわゆる、出世払い。だけど、なれなかった時は、利息10%をつけてしっかり回収される。税金として。一生(税金)返済に追われる。


登り龍学園に入学して、このシステムに最初は驚いた。けど、これは、政治家(原則上級国民)になるために、必要らしい。言われてみれば、下級国民はいつも税金に困らせられて、支払っている。この学園祭は、社会システムと同じだ。だから、普通の事なんだ。


ーーーー


「投票開始!!」


一斉にスマートフォンをポチポチし始めるギャラリー。

1ポチ1000円。


「ぎゃはは!大儲けだ!」


舞台裏で笑いが止まらない、楽田 落。


総投票数は100000を超えた。1億円。


ーーーー


「それでは結果を発表する!!」


「栄えある1位は・・」

「と、行きたいところだが、なんと更に10分のロスロスタイムをあげよう!」

きゃあ!


「存分に投票したまえ!」


その時、


ブツ・・!

モニター画面が真っ暗になる。


そして


「もう、やめろ!」


大声で言うのは、3位の


桜ヶ丘 由示亜さくらがおか ゆしあ


「情けなくないのか!」


「だ‥誰だ!?お前かモニター画面を消したのは?!」


楽田 落の部下の黒服が捕まえようとするが、

桜ヶ丘に次々と倒される。


(かっこいいー!)

急にファンが増える。


「く!どういうつもりだ!桜ヶ丘?」


「いい加減目を覚ませ!」


「なに!」

楽田自身が襲い掛かる。掴むと、


「え・・?!」

時が止まる。


「お、お前、女・・?」

胸を触っている。

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