071 新装備

「ただいま〜」


 無事ヴァルさんの小屋まで戻ってきた。


「よし、全ての材料を集めてきたようだな。後は全てこちらの仕事だ。数日はかかるから待っていろ」


「たった数日でいいんですか?」


「お前達がダンジョンに行っている間、出来る限りの準備はしてあるんだ」


「ありがとうございます」


「いいってことよ。というわけで、大人しく待ってな」



 数日間のんびりと過ごした。


 とある早朝ヴァルさんの大声が響き渡る。


「出来たぞー!」


 徹夜で仕事をした様子のヴァルさんは血走った眼でみんなを集めた。ちなみにイーヴァルディも徹夜で手伝いをしていたようだ。


「まず、ロキ。お前さん用だ」


 作業台の上にドンと置かれた新品の防具達が輝いている。


「アダマンタイト製のアーマーとゲートル、ブーツだ」


「マントもあるよ!」


 試着すると体に完璧にフィットした。今までのチェインメイルと違って軽いし格好良い。マントを着けると、アダマンタイト級冒険者らしくなったように思える。


「ありがとうございます」


「このマントは全員分ある。火水風属性に対して耐性があるぞ」


 これは最高のマントだね。


「次はシャルの装備だ。風属性強化の軽装備一式とアダマンタイトの矢と短剣だ。腕輪も用意してあるぞ」


 シャルは得意な風魔法を強化する装備のようだ。とても似合いそうだ。


「うわー!ありがとう!」


「次はロザリーだ。宝箱から土風のローブが出たようだから、作ったのは杖とブーツと腕輪だ。杖はアダマンタイト製で近接攻撃用だ。腕輪とブーツは疾風の羽根を使っているから移動しやすくなるぞ」


「ありがとうございます〜大事にしますね〜」


「おう、これで全部だな」


「ヴァルさん、お代は……?」


 装備を作ってもらってから聞くのも変な話だが、聞くタイミングが無かったのだ。


「無料でいい。ただし、1つだけ条件がある」


「条件ですか?」


「イーヴァルディを連れて行ってくれ。こいつには世界を見て回る事が必要だ」


「いいですよ。本人が望むなら」


「あたいも仲間に入れてほしい!」


 イーヴァルディが正式に仲間になった。そして装備も整った為、王都に戻ることになった。


 ヴァルさんに改めてお礼を言って王都に向かった。


 王都に着くと、イーヴァルディに拠点の案内をする。


「鍛冶の作業場が欲しいんだ。いい?」


「庭でも良ければ作業場所を作ろうか」


「うん、ありがとう!」


 後で、師匠に相談してみよう。


 その日は拠点にイーヴァルディの部屋を用意していたら1日が過ぎていった。

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