027 オークダンジョン攻略後のランキング
翌日、全ての荷物を収納胃袋に入れてみた。テントも調理器具も戦利品も全て収納することが出来た。
「収納胃袋が便利過ぎる!」
ロキは今まで生きてきた中で一番驚いた。
「エルフの里でも見たこと無いよ!」
シャルも見たことがないようだ。
「そうだろう?我も以前手に入れる為に苦労したものだ」
サラは昔を思い出している。
「そんなに珍しい物なら、相当貴重な物かもしれないね」
「どれくらいの価値があるのか、イーリアス師匠に相談してみようよ」
「そうしよう。じゃあ、王都に向けて出発!」
収納胃袋のおかげで身軽になったロキ達は行きよりも早く帰ることが出来た。
まずは城で師匠に報告を行う。
「……というわけで、オークダンジョンをクリア出来ました。その時、宝箱から収納胃袋という道具が出てきたのですが」
「収納胃袋だって!?本当か!?」
「本当です。ほら、色々な物が入れられて便利ですよね」
ロキはテントを取り出してみせる。
「収納胃袋と言えば、王国でも1つしか持ってないぞ。というか俺が冒険者時代に得た1つのみだから、俺が持っているんだがな」
「じゃあ、買おうと思ったら高いんですか?」
「金じゃあ買えないだろうな。持っていると知られたら命を狙われる可能性が高い」
「えええ!じゃあ、師匠が預かっておいてもらえませんか?」
ロキは収納胃袋を師匠に渡そうとした。
イーリアス師匠は少し考える素振りを見せた後、ニヤリと笑った。
「いや、それはロキが持っていたほうがいいだろう。便利だしな」
「師匠、今ニヤリとしませんでしたか?しましたよね!?」
「いやいや、弟子の修行に丁度いいなんてこれっぽっちも思っていないぞ〜」
「ひどい!弟子の命を何だと思っているんですかー!」
ロキが抗議の声を上げるが、イーリアス師匠の決意は固いようだ。
「いいから今日はもう帰れ!長旅で疲れただろうしな」
城から追い出されてしまった。
「冒険者ギルドで報告して帰ろう」
ロキ達は冒険者ギルドに向かった。
受付のベリンダさんに報告をする。
「オークダンジョンを攻略しました」
「えええ!銀級になってからこんなに早く!?」
「いやぁ、ボスはなかなか強敵でした」
言いながら、討伐証明部位が入った袋と冒険者プレートを渡した。
「それでも、凄いですよ。それじゃあ、討伐数の確認をしてきますね」
いつも通り待機しているとベリンダさんが慌てて戻ってきた。
「申し訳ないんだけど、ギルドマスターがロキ君達に聞きたいことがあるみたいなの」
「分かりました」
「じゃあ、こちらへ」
ギルドマスターの部屋に案内された。ギルドマスターの部屋に入るのは2度目である。
「わざわざ来てもらってすまんな」
「いいですよ、それでどうしたんですか?」
「討伐証明部位の中にオークキングデーモンの物があると聞いたんだが、それは本当か?」
「ええ、本当です」
「ボスはオークキングではなかったのか?」
「いえ、オークキングでしたが、追い詰められ魔石を大量に食べることでオークキングデーモンとなりました」
「そんなことが!?それが本当なら大問題だぞ」
「あたしも見ました!」
「この事は冒険者ギルド本部に報告する。恐らく、全冒険者に告知することになるだろう」
「分かりました」
「話してくれてありがとう。話は以上だ」
ベリンダさんと共に退室した。
受付まで戻り、ベリンダさんが話し始めた。
「それで先程の報酬だけど、合計で金貨91枚と銀貨50枚です。冒険者プレートをお返しします」
名前:ロキ
スキル:死んだふり
級位:銀
ランキング:30836位(40000位→30836位)
一緒に報告したシャルも同様にランキング順位が上がっていたみたい。
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