第1445話 装備のお披露目!クラス対抗戦の準備、完了!
実はこの〈亀ダン〉攻略中にも色々装備の更新が行なわれていたんだよ。
「シエラはん、調子はどうや?」
「ええ前よりも良い感じよ」
「そら良かったわ。ボス戦に間に合わなくて悪かったなぁ」
「クラス対抗戦には間に合わせてくれたもの、大丈夫よアルル」
続いて順番が回ってきたのは、シエラ。
実はシエラの装備は〈亀ダン〉攻略中に完成し、1度着用したものの、少しサイズ変更が必要となってアルルのところに戻してたんだ。
おかげで〈亀ダン〉の最奥ボスでは以前の装備だったんだが、今回しっかりサイズ調整した装備を装着していた。
――サイズを調整。
実は割とサイズを調整することは学生には多かったりする。
俺たちは成長期の学生だからな!
色々成長中なのだ。なお、成長するのは縦だけではなく、横だったり前だったりするので掘り下げてはいけないぞ? 下手をすれば、命を賭けなくてはいけない話題だ。
さらにアルルもまだまだ
ということで、今日お披露目となった経緯がある。
いつの間にか
それは俺たち男子にバッチリ聞こえていた。
これにはメルトとレグラムもざわめく。
〈エデン〉最強のタンク、シエラの新装備完成の報告は〈エデン〉をざわめかせるほどのインパクトがあるのだ。
ラムダなんか目を瞬かせて「え? シエラ殿、あれ以上強くなるの?」とちょっと震えている。先程のサチたちの時との違いよ。でも今度は味方だよ。
今の時点で強いシエラがもっと強くなるとか、もう素晴らしいしかないな!
「ふう。一緒のクラスで本当に良かった……」
「ははは! 待たせたな――ちゅうわけで、この場を借りて、お披露目や!」
アルルがそう言うと、ノエルもノリノリでシエラを呼ぶ。
「みんな注目~! あのシエラさんの装備が、ついに完成したんだって!! では出てきてもらいましょう。新装備を着たシエラさーん」
「今行くわ」
「「「「おおー!」」」」
壇上に出てきたシエラに、歓声が轟いた。
それは〈氷生頑守シリーズの全集〉、〈栄光宮守の盾〉、〈栄光宮守のアクセ〉の組み合わせ。
まず目が引き寄せられたのはその鎧――〈氷生頑守シリーズの全集〉。
着色しているようでシエラのカラーである薄いパープル仕様にはなっているが、まるで水晶の様な透き通る美しさを兼ね備えた鎧。
布も多数使われているが、今までの鎧っぽくない装備と比べると断然鎧っぽいと言える姿になっていた。かっこいい。
そして、氷水晶で出来た後ろの長いスカート、腰には新しくなった小盾が4つ。シエラが持つ薄紫色の氷水晶の大盾に目が行く。
これは〈栄光宮守の小盾〉と〈栄光宮守の大盾〉。大盾の方は今までの細い盾と比べるとやや幅広く。中心の上部分には栄光の宮の装飾が着けられ輝いていた。
小盾の方も全て〈栄光宮守の盾〉系統に統一され、大盾と同じような栄光の宮の装飾が着けられた意匠となっている。
さらにシエラの右腕に輝くのは〈栄光宮守のアクセ〉レシピから作られた〈栄光宮守の腕輪〉であるリング。
決して派手ではないが、銀色でなんだか神々しく感じる腕輪だ。
今のシエラは上級上位ダンジョンのランク10を超え、最上級ダンジョンまで通用するような防御力と能力を誇る。
今までシエラは4つの小盾を〈強合金の盾〉というスキル無しのバニラを装備してステータスをかなり強化していた。
だが、この〈栄光宮守の小盾〉はバニラではない、スキルありだ。
にも関わらずシエラが今まで装備していたバニラの小盾の防御力、魔防力を軽く超えていると言えばどれほどの防御性能を有しているか分かるだろうか。
鎧シリーズのスキルもとんでもなく、全ての耐性がLV10というとんでもなさを誇り、タンクとしてこれ以上頼れるものは無いという性能だ。
そんな装備に身を包み壇上でキリッと立つシエラは、神々しく見えた。
「すっげぇ! かっこいいぞシエラ!」
「……そう? ありがとゼフィルス」
おや、ちょっと反応が悪い予感。かっこいいはダメだったか?
「シエラ似合ってる! すごく可愛いぞ!」
「んな! そう、そうなの? ありがとうゼフィルス。とても嬉しいわ」
言い直したら変化は劇的だった! いいぞ! 少し頬を紅潮させながらすまし顔でお披露目のポーズを取るシエラ。とても素晴らしいです。
「さすがねシエラさん、侮れないわ」
「大丈夫、わたくしにも新装備のお披露目の機会はあるはずですわ」
おっとタバサ先生とリーナが燃えている予感。
大丈夫、もうちょっと先に進めば2人の装備だって用意出来るさ!
ここでノエルがさらに進行役を務める。
「はいはいありがとうありがとう! シエラさんの新装備でお送りしました~。では次行ってみましょう~。装備更新したのはあと4人もいるんだよ~。では壇上に上がってもらっちゃいましょう! まずはメルト君~、シャロンちゃん~、壇上に上がってきてね~!」
「なんで俺も?」
「まあまあ! ここでメルト様の装備をお披露目しちゃいましょう~!」
「ミサト、貴様面白がってるだろ!?」
「あったり前じゃん!」
「この!」
「もう~メルト君何してるの~、面白そうだから壇上行こう~」
「お、おい待てシャロン、もうちょっとミサトにお灸を……分かった。分かったから離せ、首根っこを掴むな!」
そう、実はマリー先輩とアルルが完成させてくれた装備を着るメンバーが、もう4人いる。
まずはメルトとシャロンだ。
だが、2人のうちメルトはマリー先輩がすでに仕上げてくれていたため、一足先に完成し、〈亀ダン〉の後半でもすでにお披露目していた。
でもせっかくなのでここで再度お披露目。シャロンがメルトを捕まえると壇上へと上がっていったのだった。
メルトは〈氷守軽装シリーズ〉全集。
例のレアイベントボスで手に入れた伯爵装備で、本来なら氷の魔法使いであるサーシャなどに着せるものだが、メルトが着てもバッチしだ。
『ヘイト軽減LV10』という、相手からのヘイト値が下がる、魔法使いにありがたいスキルを持ち、 『氷属性耐性LV10』や〈氷属性ダメージ30%カット〉、『即死耐性LV10』に『氷属性魔法威力上昇LV10』を内包する優秀な装備である。
アクセには〈栄光宮守の腕輪〉を装備し、メルトの防御魔法の威力をかなり上昇させている。端的に言って、〈亀ダン〉後半のメルトはかなり強かったよ。
そしてシャロン。
シャロンはシエラと同じく〈栄光宮守の大盾〉に〈氷生頑守シリーズ〉、そして当然のように〈栄光宮守の腕輪〉を装備していた。
ちなみにシエラは紫色へ〈デザインペイント変更〉をしているが、シャロンの場合は桃色に〈デザインペイント変更〉し、模様と形も結構違っている。ショルダーの金属が瓦屋根っぽいところとか。
同じ装備なのにデザインがここまで違うっていうのが〈ダン活〉の魅力な部分である。
シャロンに背中を押されて壇上に上がったメルトは、ちょっと困惑しつつもしっかり参加してくれる。そこら辺優しさが滲み出てるよね。
「じゃーん! 実は私たちも
「わーわー」
「いいぞー!」
「……」
シャロンのセリフにギルドハウスはさらに盛り上がる。
これを待っていたかのようにノエルがシャロンたちを見ながら解説を行なった。
「
「今まで待たせてすまんかったなぁ。さすがにこれほどの装備を作製するんは腕が足りなくて、レベル上げしとったんや。おかげで夏休みも終わってしもうたが、ようやっと納得いく装備ができたで! これからはみなはんが作ってほしい言う
「「「おおー!」」」
ギルドハウスは大盛り上がりだ。
ちなみにシエラの装備やシャロンの装備にはマリー先輩や〈彫金ノ技工士〉の協力もあったのだが、そっちは今日は不参加だ。
後でお礼を言いに行かないと。
タネテちゃんなんかLVもカンストしたし、上級職にしてあげないとな!
今回のお礼だと言って〈上級転職チケット〉を渡せばきっと受け取ってくれるだろう。(なお、リングを作ったのはケンタロウです)
ふはははは!
メルトとシャロンの装備お披露目が終われば、今度は一部だけ装備を変更したトモヨやフィナも登場。
〈聖ダン〉で手に入れたレシピからアルルが作製した――〈天使天願の大盾〉を2枚装備して登場するトモヨがかっこいい。
続いて〈天使天命の
ギルドハウスはさらに盛り上がる。
いいなぁ天使。すごくいい。
天使もっと欲しいな。天使、ゲットしにいっちゃおうか?
目前にクラス対抗戦が控えているから、それが終わってからでも?
そんなことを考えながら打ち上げは過ぎていく。
クラス対抗戦の準備は、これで万端だな!
2日後のクラス対抗戦が、今から凄く楽しみだ!
第三十一章 ―完―
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後書き失礼いたします!
近況ノートに次回予告を公開しました~。
また、昨日から〈ダン活〉コミカライズ第14話が公開中です!
今回の話は初のシエラたちVS〈クマアリクイ〉戦!
後半は初のギルドバトル〈キングアブソリュート〉VS〈千剣フラカル〉が始まりました!
作者、ギルドバトルの会場に感動大爆発!
〈ダン活〉書いてもうすぐ4年。ようやくギルドバトルを絵で見ることができます!(嬉しさ100倍!)
気になる方は是非「TOブックス コロナコミックス 〈ダン活〉」で検索してみてください!
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