第1411話 聖域で新たなテイムモンスター、聖獣ゲット!
装備作製には日数が結構掛かった。何しろレアイベントボスは1日1回だからな。
いくらレアボスと同じで通常ボスの2倍ボス素材をドロップするといっても素材が足りない。
故に〈採集無双〉にお願いして、上級中位ダンジョンに来てもらったりした。
「初めて来る
「大丈夫だ。俺たちが守る!」
「た、頼もしいです!」
モナにはそうかっこよく宣言したよ。
俺たちもかなりLVも上昇し、上級中位ダンジョンにも慣れてきたし、なにより〈聖ダン〉の対抗アイテム、〈静寂の時箱〉や〈サイレントフィールドバリア装置〉で音を消してしまえば、そもそも音に反応してやってくるモンスターがほぼ登場しなくなるという構造を持っている。なのでむしろ〈守氷ダン〉なんかよりも安全だったりするんだ。
おかげで〈採集無双〉は最初はおっかなびっくりといった様子だったが、次第に見たこともない素材に目を輝かせて採集しまくっていたよ。
レア素材が大量に手に入ったのでこれもアルルとマリー先輩に全部流した。
マリー先輩の引きつった笑顔が印象的だ。うむ、度肝を抜くまでいかなくてちょっと悔しいと思うのはなぜだろう? 次こそは抜いてやりたい!
他にも、31層を越えたところで聖獣が出現し始めた。
最初は可愛いもんだったが、階層が深くなるにつれてどんどんパワーアップし、60層でついに聖獣のボスが出現するようになった。
聖獣の姿は千差万別で、31層ではイヌの聖獣から始まり、キジ、サルなんかが登場。
鬼退治でも行くのかな? あとキジを倒すとドロップする〈キジ団子〉がテイム用アイテムなのがとても気になります。きび団子じゃないんだ?
しかし60層ともなるとその姿は白狼、不死鳥、巨大ゴリラになっていてさらにボス化。守護型ボス、エリアボス、そして徘徊型ボスとなってプレイヤーを苦しめるのだ。
特に徘徊型の〈
島に近づいたらいきなり大ジャンプして襲ってくる体長12メートルのゴリラは心臓に悪いわ。あの奇襲がびっくりするんだよ。
ゲームの時から少しドキドキだったが、リアルのゴリラジャンピング強襲は迫力が違ったぜ。
そして〈
中に入っていたのは〈王の拳〉という、名前が超かっこいい
【獣王】のラウに相性的にもぴったりだろう。
なお、元々の装備〈ブリザードン・ツー〉は弱点特効用に持っておくので安心してほしい。
そんな感じで、他にもたくさんの聖獣が登場した。
そしてようやくここに来る道中で手に入れた〈金箱〉産の〈ゴートの実〉が活躍することになる。
「運命のときだね。う~ん、なんだかドキドキしてきたよ」
「フラーミナ、焦るなよ。焦ってトドメを刺さないようにな~」
「わ、分かっているよー」
そうテイムだ。
もちろんするのはフラーミナ。
モンスターのテイムはフラーミナの専売特許だな。
騎士メンバーもできるが、アイギスは〈竜〉専用だし、ロゼッタとエステルに至ってはテイムスキル自体覚えてない。
というわけで〈ゴートの実〉はフラーミナに預け、テイム担当になったわけだ。
「狙うのは〈聖獣ペガサス〉だよ。〈聖獣ユニコーン〉でも良かったけど、進化系の方が強そうだもんね」
「ウォン!」
そう60層に入り、〈聖獣ペガサス〉が出現するようになっていた。
一応35層から〈聖獣ユニコーン〉なども出現するようになっていたが、聖獣のあまりの種類の多さに俺がフラーミナにもう少し奥に行くまで様子を見ようと持ちかけ、今までテイムせずにいた形だ。
そして66層に突入したところで、そろそろ全部見ただろうし、テイムする聖獣を決めようと話して、まずは〈聖獣ペガサス〉が選ばれた形だな。
〈聖獣ペガサス〉。
空を駆ける翼を持った馬型のモンスターで、頭部にはユニコーン時代の角が生えている。その角が光るとバフや回復などをしてくれる、支援系のモンスターだ。
そしてその最大の恩恵は、なんと経験値上昇。
効果は名前の通りだ。
LVの最大上限は変わらないものの、そこへ至るまでの過程が短縮されるとあって重宝されてきたモンスターでもある。
さらに突進力もあって攻撃力もなかなかに高く、〈聖ダン〉に来たらこいつを狙ってテイムしておくのは鉄板だった。
ただし、確率はかなり低いのでアイテム使用を推奨。通常モンスタードロップの〈キジ団子〉では歯が立たないので、ここで〈ゴートの実〉を使ってテイムするのが最良だ。
そしてテイムするモンスターを決めてから数分後、3体の〈聖獣ペガサス〉とその他天使の2体が登場する。
「天使は今はいらないから倒しちゃってくれ」
俺はそうアイギスたちに指示を出す。
〈ゴートの実〉は聖獣用なのだ。早く天使用のテイムアイテムが欲しい。
「承知しました。行きますよゼニス!」
「クワァ!」
「『オーバードラゴンテイル』!」
「では、僕はペガサスにダメージを与えておきましょう。『不動高遠爆』!」
「ヒヒーン!?」
モンスターのテイムは相手が弱っていればその分成功率が上がる。
出会ってすぐテイムは成功率が壊滅的でまず成功しないと言っていい。
「ロゼッタはペガサスを引きつけてください」
「はい! 『天守護の誓い』! カタリナ!」
「まずは逃げ道を封じます! 『
「いっけー
「みゃあ!」
ロゼッタが挑発で集めると、カタリナが操ることのできる結界板を無数に張って空中での動きを封じてフラーミナのところに誘導。
フラーミナの進化を重ねて〈猫侍・セツニャン〉になったミーちゃんがズバンと切って天使を消滅させる。
もちろん〈ペガサス〉は残してる。
セレスタンが例の〈手加減の腕輪〉を装備しているので任せておけば――あ、もう終わってるな。いつの間にか〈聖獣ペガサス〉3体が全部HP1になってらぁ。
さすがはセレスタン。
「どうぞフラーミナ様」
「ありがとうございます!! まずは〈ゴートの実〉を使用して!」
フラーミナが持っていたテイム率を上げるための6つの実のうち、3つを取ってぽいぽいぽいと〈聖獣ペガサス〉の前に放り投げると、〈聖獣ペガサス〉はそれをパクリゴクリと一瞬で飲み込んだ。
心なしか、フラーミナを見ている気がする。懐いたのかな?
そして、フラーミナが【傲慢】のテイムスキルを発動する。
「『我が軍門に
「「「ヒヒヒーン!?」」」
あれ!? 仲良くする感じじゃないの!? と言わんばかりに〈聖獣ペガサス〉が驚いている気がする。
餌を与えてこの
しかしその成果は本物で。
「「「ヒヒヒーン……」」」
「あれ!? なんか3体ともテイム出来ちゃったよ!?」
1体で良かったテイムが、なんか効きすぎて3体全てテイムしてしまった。
しかも相手は聖獣である。普通なら成功率なんてとんでもなく低いはずなのに。
……さすがは【傲慢】だ。
「まあいっか! これからよろしくね!」
「「「ヒヒヒーン!」」」
というわけで、3体の〈聖獣ペガサス〉が〈エデン〉に迎えられた。
なお、その後3体はさすがに多かったので、1体をアルテ、もう1体は〈集え・テイマーサモナー〉に贈られることになったのだった。
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