第二の記録
01
せめて何かに残したい。ただそれだけ。このままむだ死にしたくない。あたしは見知らぬ交番にとじこめめられた。気が付いたら私は交番でねていた。出ようとしてもかぎが開かなかった。
もうここに何時間いるのかな。一日は経っていてもおかしくない。のどがかわいた。おなかが減った。心が折れそう。だから、これを書く事にした。あたしは死ぬ。でも、これを見た誰かが、きっと役に立ててくれる。
何度も助けは求めた。のどがかれるくらい。でも、外には人も車も通らない。ガラス張りだから誰かが通れば見える。でも、だれも来ない。なんで。
外は静か。何の音もしない。中の様子も書く。横長のテーブルがある。恐らく、内側が警察。奥に部屋がある。あたしは今そこにいる。
ほんとならガラスばりの外から見える部屋にいた方が良い。でも、外に変なのがいる。ここに閉じ込められた次の夜くらいから、じっと窓からわたしを見つめてくるやつがあらわれた。
最初はまどをたたいて助けてって言った。けど、なんだか様子がおかしかった。雨もふってないのに、フードをかぶってて、顔は見えない。でも、味方ではない事はそのうち分かった。むしろ、あれが私を閉じ込めたのかも。
動きもせずにあれはこっちを見てる。こわい。あたしがこれを書いたのは、あれの事を書くためでもある。
おくの部屋もあんまり広くないし、変なにおいもする。
いつになったら警察官は帰ってくるのか。何で帰ってこないのか。どこに行ってるのか。
日付はもう分からない。でも、交番が何日も空になるようなじきじゃないと思う。今何月なのかな。そんなにさむくもない。あつくもない。けど、中はひんやりしてる。気持ちわるい気温。
そもそも、ここは普通じゃないところなんだ。
外も昼や夜というより、ずっとうす暗い。夕方にも朝にもないうす暗さ。時間は絶対に1日以上たってる。けど、外はかわらない。改めて書くと、へんな事ばっかり。
そもそもなんで交番なんかにいるんだろ。きおくがほとんどない。というか、あたしが誰なのかもあやふや。食べてないからかな。もっと早く書いとくんだった。何だかどんどんきおくが消えていってるような気がする。
誰かがノックをした。ノックというより、ドアをたたいてる。また始まった。たたいているのはもちろん外にいる、あれ。時間を空けて、いきなりドアを叩き始める。ドンドンドンという音がずっと聞こえてくる。こわい。ひょっとしたら、ドアをやぶってここに入ってくるのではないか。そうしたら、もう終わり。ドアをたたく音が大きくなっている。いつもより長い。ドアがきしむ音がする。やばい、入ってくる。
わたしは今かくれている。そうじようぐいれのような所。あれがなかに入ってきた。こんな所ぜったいにみつかる。けど、かくしかない。さいごまでかく。ドタドタというおと。あれが■■■へやまできた。足おとがちかくなる。へ■■においがする。めりめりめりという音。ご■■■というおと。わたしを■■■■■のかな
■■が■■なおと ちかい すぐそこ あれが■■■■■■てる
あなからのぞく ■■■は■に■■■たみ■い ■■■■■■だ こ■は■■■ まけ■■ さい■■■か■■■る か■■ と■■があき■■ お
(最後は文字というよりも、書きなぐった線の痕だけが残っていた)
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