暁闇のレベリオン -悪魔と呼ばれた青年の世界変容-
mao
混沌の闇夜から光り輝く夜明けへ
平和だった人の世界に“魔族”と呼ばれる闇の一族が現れて五百年余り。
魔族は人が持ち得ない妖術を巧みに操り、様々な自然現象を起こしては人間たちに力を見せつけ、抵抗の意思を奪い取る。
人間たちは闇に支配された世界で家畜同然の扱いを受け、苦しみ喘ぎながら日々暮らしていた。
魔族による支配、略奪、蹂躙は日を追うごとに悪化の一途を辿り、それらは人が持つ倫理観さえ狂わせる。
ついには人間同士による争いや残虐行為が増え、中には魔族に魂を売り渡すことで奪う側になろうとする者まで現れた。
世界そのものを支配する魔族、特別な力を持つ人間を犠牲にして生み出される魔導具、差別と偏見――猜疑心にまみれた人間たち。
歪みきった世界の犠牲者たる青年は、舞い降りた竜の神へと
世界の救済ではなく、世界の変容を。
『――人間であることを捨ててでも、世界を変える覚悟はあるか?』
「元より人の扱いさえ受けられない身だ、……そんなものは代償にさえならない」
『よかろう、ならばお前に授けよう。世界の変容を叶える力と、その鍵を。ただし心せよ、お前がその力の使い方を誤る時、お前が志半ばで倒れる時……それはこの世界の終焉を意味する』
竜の神が上げた咆哮は世界そのものを揺らさんばかりに轟き、天空からは雲を割って力強い光が流星の如く降り注ぐ。
竜神と青年の間、大地に突き刺さった光はひと振りの美しい剣へとその身を変え、白光の輝きを放つ。まるで、世界を覆う闇さえも照らすかの如く。
夜明け前のほんの一刻こそ、最も闇深い時間なのだ。
けれど、その先には必ず陽が昇る。
――明けない夜は、決してない。
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