022
こいつら
あのゲームのあのクリーチャーも、実はカエルの変異した奴だったのかもな。そう思うとちょっと可愛い……いや、やっぱ可愛くない、キモイわ。
卵じゃなくて成体で生まれてきてたけど、あれは卵胎生ってやつかね?
けどカエルなら、卵から孵るとオタマジャクシだよな? 腹の中で尻尾が消えるまで育ててたってことか? ということは、マザーのあのでっかい腹の中にはクリーチャーなオタマジャクシがウジャウジャと……キモッ!
あれ? そうすると、オスはどこだ? えーっと、メスがクイーンだから、オスはキングか。トノサマガエルだな。あら可愛い。でもトノサマガエルのメスは
特殊な個体は見かけなかったけど、退治した奴の中にいたのかも。カエルの性別なんて分かんねぇよ。鳴くのはオス、それしか知らん!
ふう。
さて、現実逃避はここまでにしよう。現実を見つめないと。みつめて〇イトは隠れた名作。特に黒髪おさげルートは秀逸。いやいや、戻って来い、俺。
っていうかさぁ、俺が激甚災害指定ってどういう事よ? 俺は台風か地震か? 人間台風〇ァッシュ=ザ=スタンピードか? 戦う人間発電所か? 人間やめちゃいましたってか? ああ、それはやめてるから合ってるのか。
むっ? 指定ってことは、どこかに通知されるっていうのもセットだったり?
天の声さんがどこかの誰かに警報を発した? 『新たな脅威が発生しましたよ』と。『ヤバいモンスターがここに居ますよ』と。『予想進路上にお住いの方は速やかに避難を開始してくださいね』と。
ちょっと待てぇいっ!
あのマザーは災害指定だったんだろ? だったら、それを倒した俺はむしろ勇者じゃん! 褒められていいんじゃないの!? 俺は褒められて伸びるタイプだよ!
なのに、なんで俺が次の災害に指定されてんの!? 取り消しを要求する、不当判決だ!!
ないわー。お好み焼きに生クリーム乗せるくらいないわー。青のりが映えるわー。イ〇スタに載せたら『食い物を粗末に扱うな』って炎上するレベルだわー。ないわー。
――リッパートード=クイーンから『魔素変換』を獲得しました。
ありがとう、天の声さん! やっぱり出来る女(?)は違うね! 君ならやってくれると信じていたよ!
秒で前言を撤回するなんて、言動が軽い? そう、私は史上最高に言動の軽い魔王、ライト魔王なのだ! いまだかつて、これほどに軽薄な魔王があったであろうか? いや、無い! 史上初ってかっこいいよね!
ってか、アナウンスがいつもとちょっと違ってたな。
あれかね、災害指定個体を倒すと、そいつのスキルを奪えるってことかね?
ふむ、それは有益かもしれない。俺にとっても世界にとっても。この世紀末な世界で生き残るためには、積極的に災害指定個体を狩っていったほうがいいのかもな。
まぁいいか。出所が何処だろうと、貰ったものは俺のものだ。お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの。ジャイアニズム万歳。
で、魔素変換とはなんぞや? ふむふむ、なるほど。どうやら魔素を取り込んで自分の血肉に変換出来るっぽいな。逆に、自分の血肉を消費して魔素に変えることもできるっぽい。
そうか、こんな何もない閉鎖空間で、どうやって
周りの魔素を血肉に変えて、それで子供を生み出す。生み出された子供は共食いして生き延びる。減った子供はマザーがまた生み出す。自分たちだけで完結している捕食ピラミッドだ。
そりゃ、凶悪な性質になるわけだよ。周りは母親以外、全部敵でエサなんだもんな。生き延びるには、喰われる前に喰うしかない。
けど、エネルギー保存則からすると、魔素はどんどん減っていくはず……ああ、虫がいるな。ハエみたいなやつ。こいつらが死体から湧いて魔素の供給源になってるのか。めっちゃ限定的な
ってか、このスキル、ぶっちゃけ要らねー。地面さえあれば水も光も自分で調達できる俺には必要ねぇよ。
まぁ、魔素が枯渇してどうにもならないってときには使えるかも? ってくらいか。その状況になってる時点で詰んでるような気もするけどな。
死にスキル確定。やれやれだぜ。
さて、と。もうハエくらいしかいないけど、こいつらがヤバいウィルスでも持ってたらヤバい。俺の語彙の無さもヤバい。超ヤバい。
前世でも、ハエは病原菌の媒介者だったからな。しっかり駆除しておかないと。
殺虫剤の成分ってなんだっけ? よく覚えてないな。ピレスロイドとかMrsロイドとか、そんな名前だったっけ? まぁ、分からないことはスキルに丸投げしちゃえばいいか。考えるな、感じろ!
よし、それじゃこの古代都市全域に殺虫剤散布だ!
ブシュゥーッ!
全俺が噴いた! そして風魔法で都市全域に拡散! 続いて高純度アルコール散布!
プシュゥーッ!
全俺が酔いしれた! うわっ、すげぇ臭い! けど我慢。しばらく充満させないと、全域に行き渡らないからな。これも風魔法で拡散させてと。うひー、マジ酔っ払いそう。
って、酔わないな。やっぱ毒無効が効いてるのか。そうか……もう酒を楽しむことはできないんだな。つまらん人生、いや樹生だ。そもそも飲めないけども。口無いし。
よし、害虫駆除と消毒完了。あとは換気して掃除すれば、いつでも入居者を募集できる。お家賃は応相談となっております。って、不動産屋じゃねぇよ。
さて、それじゃトンネル掘りの続きに戻るとしますかね。
不動産屋じゃなくて土建屋だったよ、俺。〇たらく魔王さま土建屋編。美形を侍らせて土木工事をするのか……出稼ぎの定番だし、一部で需要があるかも?
でも、豆の魔王様の需要は無い。それは断言できる。人は見た目が九割九分九厘九毛って言うしな。それ以外の希望は一毛しかない。たったの毛一本分、ナ〇ヘイチャンスのみ。なんて
くそっ、俺に人化、いや美人化のスキルさえあれば……んん?
よく考えたら俺には形状変化があるじゃん。これ使ったら人化っていうか、人型にはなれるんじゃね? 少なくとも、見た目がほぼ人間ってくらいならできそうな気がする。
おお、これは新たな可能性の予感! やるしかない!
歩こう、歩こう、私は元気! 無駄なくらいに超元気!
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