第33話 殺人罪


居場所の特定




四冥がなぜ壬屋子の監禁場所を特定する事ができたか?




無論、真面目に探す気などさらさら無い。


だが、


“わっふるわっふる”

“ひゃっはー!!たまんねーぜ!!”


“私に乱暴する気でしょう!!”

“びゃああああ!!!”



米が、荒ぶっていた。

狂喜乱舞していた。


米達は、大体、若い女や若い男が乱暴される時、激しく興奮する。



空気や地面、壁を流れる文字の『流れ』を辿れば、場所を特定するのは容易。


むしろ、修二君とやらの依頼者の場所の米が流れないから、単身突入する事になったんだが





$$$





「誰だ?お前?」


四冥は、壬屋子を拘束している人物を目の当たりにして顔をしかめる。


(こいつ・・・擬態か)


しかも、自分が『穢れ』である事を自覚している側に見える。



(面倒だ)



そう本当に面倒である。

自分が『穢れ』であると認識する個体、尚且つ、悪事を働く奴・・・


六畳家的に、祓う対象・・・


だが、その『擬態』も一般人から見ればただの人


「首を斬ったら、殺人罪になりませんか?」



師匠はその問いに小首を傾げて答える。



「・・・なる」



まぁそうなのだ。

そもそも、六畳家は昔、擬態も構わず、穢れを狩り過ぎ、殺人集団扱いされて、今の凋落がある。



「まぁ、下手をうたない様に『上手くやる』事だ」



それが師匠の助言だった。

あいまい極まりないが・・・


(まぁ、こいつはここで狩っておくか・・・)


悪い擬態は見逃せない。

それが今の六畳家の信条だ。





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