【アタシはやさぐれ女よ!!】

5月17日・晴れ


アタシは、この日の午後1時までEスタ(Jリーグ)にいた。


J1のサンフレッチェ広島-サガン鳥栖の試合の前に、スタジアムの観覧席でサンドイッチの売り子のバイトをした。


午後1時のキックオフの時間に、売り子の仕事を終えた。


お給料と売れ残りのサンドイッチを受け取ったあと、事務所から出た。


事務所からあったアタシは、スタジアム内の公園にあるベンチに座って、売れ残りのサンドイッチでランチを摂る。


その時、アタシのスマホに電話がかかって来た…


電話は、あいつ方の兄嫁からであった。


兄嫁さんは、アタシに『おすし屋さんにあいつの家族たちと一緒に待ってるから来てほしい…』と言うたけど、アタシはこう言い返して、電話を切った。


「あのね!!Eスタから由宇までどれくらいの距離があると思ってるのよ!?バイト中にいらん私用電話をかけるな!!」


アタシは、スマホをケースの中にしまった後、髪の毛を思い切りかきむしった。


安佐から由宇までうんと遠いのに、すぐにこいだなんてムリよ!!


その日の夜、アタシは予定通りにお好み焼き屋さんとファミマのバイトへ行った。


深夜11時半を過ぎた頃であった。


ところ変わって、ファミマにて…


陳列ケースに、新しく来たお弁当を並べる作業をしてた時、あいつの長兄があいつを連れてやってきた。


長兄は、あいつがあやまりたいとアタシに言うた。


せやけど、アタシはあいつがキライだから、長兄に言い返した。


「あんたね!!あやまればこらえてくれるとおもっていたら大きなまちがいよ!!いくらあやまっても、アタシは死ぬまであんた方の家をのろい通すけん!!」


長兄は、困った声でアタシに言うた。


「まりなさん、則文は本気であやまりたいと言うてるのだよ…」

「帰んなさいよ!!」

「ぼくたちは、このままでは帰れないのです。」

「帰らないのであれば、アタシの知人の組長を呼ぶわよ!!」

「困ります…まりなさんお願いです…『ごめんなさい』のひとことを言わせて下さい…(怒った声で)則文、まりなさんにあやまれ!!」


あいつは、アタシにあやまろうとした。


けれど、アタシはあいつに怒った。


「あんたね!!『ごめんなさい』と言えばこらえてくれると思っているわね!!」

「ちがうのだよぉ…」

「どないにあやまっても、アタシはあんたをうらみ通すけん!!」


アタシの言葉に対して、長兄はこう言うた。


「まりなさん、則文はおふくろを亡くしていることが原因で…」

「はぐいたらしいわね!!もう怒ったわよ!!今からアタシの知人の組長に電話するわよ!!」

「ヒィィィィィィィィィィィィ…逃げろ…」


あいつと長兄は、恐れをなしてその場から逃げ出した。


アタシは…


あいつがどんな言葉であやまっても…


一生うらみ通すけん!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る