【なんのためにいる資格なのよ!!】

(平成元年)


5月15日・曇り


アタシたち3年生全員は、ファイナンシャルプランナーの3級の資格を取得するために、時間割りの中にファイナンシャルプランナー講座が組まれていた。


毎年度、ファイナンシャルプランナー協会から公認の講師が学校にやって来て、ファイナンシャルプランナー講座を行っていた。


せやけど、アタシはファイナンシャルプランナーの仕事なんかしたくない!!


せやけん、こなな講座なんか受けたくない!!


『ライフプランニング』や保険契約を聞いても、ゼンゼンわからへん…


開講から数日たったこの日のことだった。


講師がアタシに『まじめに聞いているのか!?』と怒鳴りつけた。


ドカーンとブチ切れたアタシは、テキスト本をバサッと投げつけてドカドカと足音を立てて講師の元へ行った。


アタシは、講師の胸ぐらをつかんで怒鳴りつけたった。


「何だと!!もういっぺん言ってみろ!!何のためにいるファイナンシャルプランナーの資格よ!!」


アタシは、ファイナンシャルプランナーの講師を怒鳴りつけたあとこぶしをふりあげてイカクした。


そばにいた先生がアタシを止めた。


アタシは、このあと保健室に連れて行かれた。


保健室に入ったあとも、アタシの怒り狂っていた。


そんな中で、アタシは亡き父の言葉を思い出した。


何よ!!


何のためにいるファイナンシャルプランナーの資格よ!!


仕事の資格は!!


元気な体なのよ!!


元気な体があれば、どんな仕事だってこなせるわよ!!


アタシは、そんなことを思いながらベッドの中で腹を立てていた。


(講座を放棄したまりなは、ファイナンシャルプランナー3級の資格をもらえなかった…他のクラスのコたちは資格をもらえた。)

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