【パターン化された暮らしに落ちついたけど…】

5月14日・曇り


家族の幸せのために生きて行くと決意した父は、南の島にある水産加工会社へ再就職をした。


朝8時半に出勤して、9時から夕方5時までの間与えられた仕事をこなして、お昼は給料引きの約束で注文したお弁当を食べて栄養をつける…


仕事が終わったらまっすぐ家に帰って、家族ダンランで晩ごはんを食べて、1台のテレビで家族が同じ番組を見ると言う暮らしに落ち着いた。


しかし、この日を境にして父が早退や欠勤を繰り返すようになった。


それまでの父は、家族ダンランで晩ごはんを食べているときにニコニコ顔で『今日はこんな仕事をしたのだよ。』とか『今日のお昼のお弁当にしゅうまいとミートボールが入っていたからおいしかったな。』などと話していた。


しかし、この日の食卓の雰囲気はどす黒くよどんでいた。


なぜならば、父はこの日午後1時ちょっと過ぎに早退をした。


家に帰って来た父は、げんなりとした表情を浮かべていた。


父は、無表情でボソボソとごはんを食べていた。


あんなにげんなりとした表情の父を見たアタシは、思わず泣きなくなった。


けれど…


泣くことはできない…

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