【丈夫な体さえあればどこでも雇ってくれるよ】

4月9日・晴れ


父の不祥事が原因で、母は一流総合商社をクビになった。


父は、チョーカイメンショクになった。


アタシは、転校しなければならなくなったが、親戚がある布施の小学校は受け入れを拒否した。


アタシたち一家は、本州からうんと離れた南の島に流された。


アタシは、島の小学校に転校をすることになった。


両親は、安定した収入と約束された将来をなくした。


それでも父は、力強い口調で母とアタシに言うた。


「これからは家族の幸せのために働くよ…なーに、丈夫な体さえあればどこでも雇ってくれるよ…丈夫な体が仕事の資格だよ。」


父は、島の水産加工会社への再就職した。


母は『料理教室に通って、お料理をたくさんおぼえるね…』と言うた。


その一方で、アタシは両親により強い不信感を高めた。

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