第11話、魔王攻略

「ところで、どうして勃起してたのかな?

智代梨のテクに興奮しちゃったのかな」


「うっ、確かに気持ちよかった」


「何、言ってんのよ、もう!」


「だが、これで智代梨の特技はわかったわけだ」


「あとは、私と仁君だね」


「俺も、実は形になりつつあるんだ。

多分、きっかけがあれば発動できると思う」


「えーっ、私だけなの……」


「萌には料理って特技があるじゃない」


「料理じゃ戦えないもん」


「私の治療だって戦うもんじゃないよ」


こうして日々が過ぎていき、数か月経った頃に魔王宮への通路が開いたと知らせがあった。


「そのうちの一本が、城の真裏に開通したぞ。

これなら、建屋に直接爆弾を設置できそうだ」


「じゃあ、やるか」


「ああ」


数日後、俺たち4人はジャンヌとゾネスと一緒に爆弾を設置する。

導火線の猶予は約1分だ。爆弾を積み上げ、他のメンバーは先に非難させ、俺がライターで火をつける。


ジジジジジッ


「何者だ!」


見張りに見つかってしまった。


俺は見張りに向かいながらイメージする。


”オオカミ”


俺の体から毛が伸びて、四つん這いになる感覚。

見張りの首筋を噛み切り俺は穴に飛び込む。


ドカーン! ドカーン! ドカーン! 


下半身が岩に埋もれる感覚。


「仁なのか……」


「ウウッ」


目が覚めたのは城の医務室だった。


「魔王は?」


「通路が全部ふさがり、その後で火山を誘発させたみたいだ。

もう、近づくこともできねえよ」


「俺の足は……」


怖くて、自分で見る勇気がなかった。


「両足とも折れてる。

その程度で済んだのは奇跡だぞ」


「腰から下がつぶれる感触あったからな」


「まあ、智代梨に感謝するんだな」


「智代梨が治してくれたのか」


「ああ、仁・ジーンッて泣きながら舐めてたよ」


「嘘よ、泣くわけないでしょ」


「まあ、下半身全部だったからな。

別の意味で泣いたのかもしれんが……」


「あ、ありがとう……

できれば、今度は意識のある時にお願いし……」


パチーン!


平手打ちが飛んできた。


「しかし、獣化かよ」


「ああ、なんとなくイメージはできてたんだ。

あとはきっかけだけだった」


「穴の中に飛び込んできた時は驚いたよ。

萌が仁君って呼ばなければ焼き殺すところだった」




こうして、魔王討伐は終息を迎えた。

俺たち四人は、名誉貴族って肩書をもらって、家を与えられた。

一人一軒とかいわれたが、みんなで相談して一軒だけにしてもらった。

メイドが12人で、料理長と見習いが3人。

執事に馬番まで城の費用だ。

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