(二)-8

 その後のシュテファンの事を、私は全く知らない。その後芸術家として名をなしたのかどうか。多分、大成しなかったのだろう。その後新聞などのニュースで彼の名を聞くことはなかったのだから。


 私のことをイリーネの遺産として鑑定した鑑定士は、私のことを芸術的には取るに足らない物と断じた。私からすればその意見には大いに反対ではあったが、管財人や鑑定士にそれを伝える術を、私は持っていなかった。

 そしてイリーネの親族は私を骨董屋へ持って行き、現金と交換した。


(続く)

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