第3話 日曜日のお屠蘇
お屠蘇気分の最終日、三が日の三日めをむかえた。
一年の邪気を払い長寿を願って呑む縁起物の酒の屠蘇。
酒やみりんに、5〜10種類の生薬を8時間くらいつけこんで作る。
よって、大晦日に仕込まねばならない。
ちなみに酒派である。
無病長寿を願うだけある、体によさそうな素材からなっている生薬酒だ。
正式な朱塗のお銚子、三段重ねの盃、重ねた盃をのせる盆は持っていないので、金をあしらった江戸ガラス器を屠蘇器とした。
〔 一人これを呑めば一家病無く、一家これを呑めば一里病無し 〕
時節がら、盃の回し呑みは控え、各自のガラス盃を用い、疫病に負けないよう願う。
香り高い、甘い風味のお屠蘇のほろ酔い気分。
その独特な酒は、お正月の三が日の楽しみでもある。
ちょっとした魔法にかかって、ほんのりと、ぬけぬまま三が日が流れていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます