第3話 日曜日のお屠蘇

お屠蘇気分の最終日、三が日の三日めをむかえた。

一年の邪気を払い長寿を願って呑む縁起物の酒の屠蘇。

酒やみりんに、5〜10種類の生薬を8時間くらいつけこんで作る。

よって、大晦日に仕込まねばならない。

ちなみに酒派である。

無病長寿を願うだけある、体によさそうな素材からなっている生薬酒だ。

正式な朱塗のお銚子、三段重ねの盃、重ねた盃をのせる盆は持っていないので、金をあしらった江戸ガラス器を屠蘇器とした。


〔 一人これを呑めば一家病無く、一家これを呑めば一里病無し 〕


時節がら、盃の回し呑みは控え、各自のガラス盃を用い、疫病に負けないよう願う。


香り高い、甘い風味のお屠蘇のほろ酔い気分。

その独特な酒は、お正月の三が日の楽しみでもある。

ちょっとした魔法にかかって、ほんのりと、ぬけぬまま三が日が流れていった。

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