第2話

 煙草。

 火を点けて、吸わずにそのまま。

 ベッド。男が、液体まみれで転がっている。


「まるで殺人現場だ」


 あの量の液体が自分の身体から出たと考えると、ちょっとびっくりするぐらい。


「さて」


 仕事に行くか。

 シャワーを浴びて。服を着る。男はまだ、ベッドでびしゃびしゃの状態で寝ている。幸せそうだった。

 気にくわなくて、腹を軽く殴った。起きない。


「はっ」


 いい気なやつだ。女に好き放題抱かれて嬉しいか。

 ホテルを出る。

 仕事の時間が迫っていた。

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