292_冀望山
この山の向こうには光がある
舗装された道を歩むことしかできない
金があれば車を使えるらしい
飛行機が飛んでいるのが見えないのは
山の向こうが見えてしまうからなのか
僕らはいつか死ぬ、大半は光に届かず死ぬ
「これでよかった」と振り返って納得をする
気持ちよく死ぬにはこれが一番なのかもしれない
そんな笑顔を崇拝して進んで進んで
僕らはいつか死ぬ、大半は光に届かず死ぬ
「まだ」と野垂れ死んだ奴は笑われ蹴飛ばされ
辛いまま死ぬにはこれが一番なのかもしれない
そんな苦顔を笑って、蹴飛ばして
舗装されていない道の先は知らない
生きて辿り着いた者はズルいと笑われる
死んで倒れた者はやっぱりと笑われる
僕らが目指す先には何があるんだろう
僕らが求める光には何があるのだろう
死体だった上に胡坐をかいて座り
何もない綺麗な石碑を今日も拝む
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます