第521話 大河ドラマ「光る君へ」の話
今回は大河ドラマの話。
もう最終盤と言っても良いところですが、みなさん、見てますか? 大河ドラマはどうも、女性が主人公になると上手くないイメージを僕は勝手に持っていましたが、今年の大河ドラマはそんなイメージを覆す名作です。
大河ドラマ「光る君へ」は紫式部を主人公にしているのですが、そこへ藤原道長を恋愛要素で結びつけつつ、藤原道長サイドの話として朝廷を描いているので、隙がありません。
色々と書きたいことはあるのですが、この大河ドラマはとにかく登場人物のクセが強くて、紫式部=まひろも強いですが、女性陣がとにかく強い。まずは清少納言。終盤で闇落ち的な感じになりましたが、ファーストサマー・ウイカさんの迫真の演技が凄い。そして、和泉式部。この役をやっている女優さんが僕には馴染みがないのですが、役作りが完璧すぎて、凄いです。和泉式部、自由すぎる。おもしれー女、って感じです。
男性陣はみんな個性的で、粒揃いです。前もこのエッセイで書いた気もしますが、平安時代を舞台にしていながら言葉遣いとかがすごく現代的で、砕けてます。その感じが、藤原道長とその友人たちの関係性を端的に、的確に表現していて理解が捗る。逆に親子でも言葉遣いやその様子から距離感や関係性が相対的に想像しやすい気もする。それは紫式部=まひろの弟に関しても言えたかな。
少し前に「100カメ」という番組で大河ドラマの現場が特集されたことがあったけど、今回の大河ドラマでは「雅」ということを意識しているらしい。この表現は大成功していると思う。とにかく、どこまでも雅な映像になってます。
これは書いておきたいことですが、紫式部=まひろ役の吉高由里子さんは左利きなのを、右手で筆を持って字を書くという役作りをしている様子。役作りで体型を変えるとかは聞いた方があるけど、利き手ではない方の手で実際に字を書けるようにするなどという、そんな役作りがあるとは、聞いた事がなかった。凄いなぁ。
これを書いている時点で、残りの放送回数は五回くらいなのかな、ちょっと分かっていませんが、もう大満足です。結び方も素晴らしいものになるだろうと、勝手に決めつけてます。
しかし、和泉式部は凄いな。バリバリのやり手の女性という感じ。よく知らないけど、港区女子ってあんな感じなのかな。僕の中では作品を通した中で一番気に入った登場人物かも。振り返ってみても、ここ十年くらい、毎年の大河ドラマを見ている中で、滅多に感じたことがない感覚でした。これがキャラが立つという奴なのか。素晴らしい造形、そして表現でした。
最後まできっちりと見ようと思います。来年のことはまだ考えなくていいかな……。
2024/10/27
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