第489話 書店員さん、ありがとう!
今回は書店員さんへの感謝のお話。と、ちょっと愚痴。
一ヶ月に一回くらい行っている中規模の書店があるのですが、とある小説を探しに行ったものの、棚を見てもどうしても見つからず、書店員さんに声をかけることに。
レジの横に問い合わせカウンターみたいなところがあってそこへ行ってみると、その場にいた女性店員さんが「ちょっと待ってください」と奥へ行ってしまう。少し待つと若い男性の店員さんが何やらクールな感じでやってきた。あまりにもクールなので、これは軽くあしらわれるかな、と思いながら、調べてもらう。書名がうまく伝わらないのでISBNを伝えて、在庫が一冊あるようなので探します、と書店員さんはカウンターを出て探しに行ってくれました。
しかし待てど暮らせど戻ってこない。五分くらいすると僕のところへ初老くらいの、腕に「案内係」の腕章をつけた店員さんが登場。さて、普通ならここでその案内係の人が引き継いだり、本の探索に参加するのかな、となるのですが、そうはならないのがいかにも田舎の書店で、なんと、案内係さんは僕にe-honの説明を始めた。しかもかなり詳細に仕組みから会員登録の仕方まで教えてくれるんだけど、残念ながら僕はここで手に入らなければAmazonで買うんだよなぁ、と思いながら、一応、最後まで聞いた。若い書店員さんは一度戻ってきて、どこかへ電話をかけ始めたりして、かなり必死に調べてるのに案内係さんは実にのほほんとしている。そしてさらに数分待っていると、ついに若い書店員さんが本を探し出して持ってきてくれた。なんというか、感動しましたね。かなり念入りにお礼を言いました。ありがとう!
それにしても、e-honをあそこまで勧めてくるとは、書店の役割も変わったな。単なる集配場ということか。今まで個人経営の書店がかなり厳しいのは見ていて分かったけど、中規模の書店も同じようになるのかもなぁ。森博嗣さんもネタにしてたけど、本屋大賞にノミネートされる本が電子版で売上上位のランキングに上がる皮肉、というのを久々と感じる。僕自身も電子版で本を買うことが増えたし、書店は書籍と出会うための場所、しかし書名と著者、出版社などの情報を集める場所という位置付けになりつつある。それは紙の本が高すぎるというのもあるけど。ちなみに本屋大賞に関して言えば、結果発表をネット上では行わなければ良いのでは? と勝手に思っている。書店でのみ発表すれば、ある程度の人は書店に行くでしょう。
しかし今回ほど書店員さんの本気を目にしてこともない。探すのを諦めて、売れたかもしれません、と言って終わりにすることもできたし、僕を長時間待たせることも気になったと思う。あの書店員さんは本を求める読者人の気持ちをよく分かっていた、ということか。兎にも角にも、大感謝でした!
2024/2/24
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