第438話 「嘔吐が僕する」などと錯乱した

 今回はもはや血の気が引く話。

 ハヤカワのKindle本のセールが来まして、まぁ、適当に買っておくか、という程度の姿勢で臨んだわけですが、これはどうやら良くなかった。

 まぁ、三千円かな、というところで厳選して買ったのですが、その直後、セール情報をまとめているサイトをチェックしていると、さらに二冊ほど欲しくなってしまい、投げやりになって、買っちゃった。結果、今回の支出は五千円を超えています。

 まぁ、借金したわけでもなければ、困る事情もない出費ですが、まったく、計画を立てて臨むべきだったし、断固たる決意によって自制すべきだった。

 それはそうと(と、無理やり話題を変えて)、少しずつ電子書籍にシフトしてきました。僕が現時点で紙の本でぜひ揃えたいのは、月村了衛さんの「機龍警察」シリーズと、神林長平さんの「戦闘妖精雪風」シリーズ、エイドリアン ・マッキンティの「刑事ショーン・ダフィ」シリーズ、くらいです。他では村上春樹さんと塩野七生さんも紙の本で欲しいかも。他はもう、あまりこだわりがないな。漫画は紙がいいけど。

 そもそもからして、紙の本はブックオフで百円で買えるのが最大の魅力ですが、ブックオフも値段を上げてきた関係で、紙の本を買うことによる経済的メリットは下落している。ブックオフを彷徨って本を探すより、電子書籍をセールで買った方が明らかにお得です。これは想像もしなかったけど、紙の本の定価や、書店の在庫の有無といったところで紙の本と電子書籍が競うのかと思っていたのが、紙の本が敗北する理由が、中古の値段より電子書籍が安いから、となるとは、驚きです。

 それにしても、読んでない電子書籍が五十冊を超えていて、これはこれで、僕が嘔吐する、というか、嘔吐が僕する、という感じではある。まぁ、半分以上は紙の本で読んだことがあって、読み直そうかな、という軽い気持ちで買ったのですが、あの時の僕も正気を失っていたのだなぁ……。

 いきなり話が脱線しますが、直木賞の候補作に冲方丁さんや月村了衛さんの名前があって、そういう時代かぁ、という感じです。僕の中の直木賞のイメージが桜庭一樹さんの「私の男」でかなり固定されているので、エンタメが直木賞になるのは隔世の感がある。私小説みたいなのが対象なので、逸脱はしてないのですが、僕はともかく、五十年前くらいから本を読んでる人はどんな感触なんだろうか。

 というわけで、本を読まないと。書くこともしないと。アイディアはあるが、気力がない。



2023/6/25

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