第415話 偏向した強迫観念
今回は、自分でも呆れる強迫観念の話。
半年くらい前、一円玉が二百枚くらい手元に転がり込んできて、これを使う必要が生じました。そこで、買い物のたびに、一円玉をきっちりと出すように努力していた。しばらくして使い終わり、最近はもう、この苦労も忘れつつあります。
さて、つい少し前、ブックオフに買い物に行ったのですが、本二冊とCD一枚を買って、レジに行ったものの、値段を伝える店員さんの声がよく聞こえず、何円かな? とレジの表示を見ると、一桁目が「8」に見えた。で、五円玉一枚と一円玉を三枚出したら、店員さんが露骨に困惑する。それにこちらも困惑する。と、レジの表示は、飛沫防止のビニールで歪んで見えただけで、一桁目は「8」ではなく、「5」だった。
買った点数が少ないわけで、先に計算すれば良かったし、よく考えてみれば、ブックオフは消費税10%の商品しかないので、一桁目が不規則になる値段設定をするのは合理的ではない。それなのに「8」などという幻を見てしまうあたりが、「一円玉を使わなくては! むしろ使わせてくれ!」という心理が、まだ頭の中にあることがうかがえて、自分でも呆れてしまった。
実は別の側面でも似たことがあって、五百円玉をぜひ欲しい、と思って、レジで会計をする時に千円札を出しながら、小銭を加減するんですが、やはり変な額を出してしまう。これは前にも書いた気がしますが、まだ継続しつつ、もはや半ば諦めてます。
日常的に簡単な算数をする場面は無数にありますが、どうもここのところ、頭の回転が鈍くなり、すぐに計算できなくなってきた。もうお爺ちゃんになったのかもしれないですね。これはまだ冗談ですが、小学生に混ざって公文式に通いたい、と思うことがある。基礎的な読み書きの訓練をしたい、というか。こんなことでは早晩、ボケてしまうぞ、とかなり真剣に考えている。
ちょっと脱線しますが、計算する時、時間に追われていると、簡単な計算も間違える。学生時代はまったくなかったのですが、もしかして試験になると簡単な計算もできない心地になる人がいたのだろうか。僕はなんというか、開き直ってしまうので、試験ではあまり緊張しないタチでしたが、いい歳になってから、自分で決めた時間に自分で勝手に追われて混乱するなど、何か、逆転している気がする。大人になってからこそ、落ち着くべき、でしょうし。
しかし、頭が弱くなった。もっと落ち着きたい。
2023/4/24
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