第272話 そりゃ見えんて……。
今回は久しぶりに将棋の話。
少し前にだいぶ心が折れて、指さなかったり、一局しか指さなかったけど、なんだかんだで気力が回復したので、また将棋ウォーズをやっている。
前にも書きましたが、僕は根っからの攻め将棋なんですが、つい先日、その棋風でひっくり返されたことがあった。
詳しくは書けませんが、局面で僕は相手の銀を取りつつ自分の金に桂馬で紐をつける手を指して、頓死した。というのも、相手の銀を桂馬で取るか、飛車の横利きで相手のと金を取るか、選ぶことができた。ここでと金を取れば相手の手番になるけど、即詰みなかった様子。
そもそも、その前の段階で相手が変な角打ちをしていて、これが無理な守り方に見えて、その角が僕の玉の頭を押さえてることに気づかなかった。まったく、想像してなかった。視野の外だった。
つまり僕は自分の攻めを選んだのではなく、相手の攻防の角が「僕の攻めを受けている駒」にしか見えてなかった。全く自分本位だった。これは悔しい。と金を取ればまた仕切り直せたのに。勝てたかはわからないけど。
一日に三局指していて感じるのは、流れみたいなものが三局に限らず、前日、さらに前々日、もっと前からある。そして一局の中でも流れがある。この「流れ」がともすると破滅しか連れてこないので、ほとほと、困る。流れとはつまり、冷静さを失う、奪うもので、流れに流されると失敗する。
とにかく冷静にならないとな、と久しぶりに身に染みた。なんで見えなかったかなぁ。後悔しかない。ただの遊びなのに。必死になるのは変なのに。なのに必死になってしまう。
将棋は地力がなくても勝てるけど、負けるのは間違いなく自力がないからです。それがいいところだと思う。例えば運任せではない。玉を詰まされないように指すのは、間違いなく自分です。相手が見逃してしまう可能性はあるけど、最後に詰んでいれば同じこと。
ここのところの感じで学習してきたけど、人工知能と指すと、どうも感覚がおかしくなる。なので専ら、人とだけ指すようにしています。詰将棋を少しやりたい気持ちになってきた。それと戦法を固定していて、うまくいく時はいいけど、崩れる時は本当に崩れる。あと、誰か棒銀への対処法を教えて欲しい。それが最大の課題。
しかしいやはや、疲れてしまった。一局でこんなに消耗するのは久しぶりだ。羽生さんの指が震えるのもわかる。盤にのめり込んで、そこから解放された時の感覚は筆舌に尽くし難い。また明日、頑張ろう。
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