第101話 飯、食いたいなぁ
なんとなく本を詰めている箱を漁ったら、漫画「孤独のグルメ」が出てきて、これをパラパラ拾い読みしてるけど、本当に「飯」が食いたいなぁ、と思う。
今の世の中、一人で食べる、とか、黙って食べる、とか、そう言うことがよく言われていて、その通りだと思うけど、僕はそもそも外食する習慣がなくて、あまり「孤食」、「黙食」の逆がわかってない。酒席とかもあまり経験がなくて、人としての欠点、欠陥という自覚が強すぎるほどある。あるけど、今から経験したい、やってみたい、ともあまり思わない。新型コロナ云々ではなく、人と食事をする、酒を飲む、ということに魅力を感じない。そもそも一人で食べたいかもしれない。不自然ですが、自分に足りないものが、不足だとはっきり感じながらも、不足のままでいい、という理屈らしい。
僕が「孤独のグルメ」の漫画を見ていて思うのは、主人公の井之頭五郎が、勢いで店に入ったり、勢いで注文するのは、憧れるし、どこか気持ちいい。豚汁と豚肉炒めで豚がかぶったり、むかご、きぬかつぎ、網焼きコロッケで芋がかぶってちょっと後悔したり、冷やし中華の後にラーメンを頼んだり、ラーメンに半ライス、缶詰を前にして食べ進めながらも半ライスをおかわりして、さらに替え玉も頼んで結局残したり、とにかくその場の勢いが凄い。初めての店のはずなのに、どことなく哲学があって、「食事を楽しむ」、「食事を満喫する」という姿勢が貫かれてる感じもある。ただ井之頭五郎自身はただ「飯が食いたい」という感じで、僕がその向こうに感じる哲学は、井之頭五郎にとっては当たり前なんだろうなぁ。
僕にとっての「孤独のグルメ」らしいグルメは、パン屋巡りですね。ただし、すでに行く店が固定されているので、その時その時で新しい商品を探して買う、前に食べて美味かったものを確認する、という感じです。歩きながら食べたり、家に帰って食べたり、まちまちですが、一人で食べるので、どことなく井之頭五郎感はある。味を確かめるように食べると、まさに井之頭五郎みたいなことを頭の中で考えたりもする。「なんだ、このハンバーガーは。ソースが違うのかな。これこれ、これがパン屋のハンバーガーだよなぁ」って感じのことを考えるので、これは「井之頭五郎ごっこ」、「孤独のグルメごっこ」というしかない。
「孤独のグルメ」の中で井之頭五郎が食事について語るシーンがいくつかあるのですが、僕はパンを食べる時、どことなく満たされた感じで、幸福になる。他のものでもなりそうなものだけど、なんとなくパンはだけは特別で、特殊かも。値段とか店とか味とか、そういう要素を抜きにしても、単純な「食べたい」という欲求と、興味が強いらしい。
ふつふつと美味いパンが、美味い「飯」が食べたくなったぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます