第39話 おそらく書き手の誰もが感じる錯覚

僕はネット上に物語をアップした時から、どうして読まれないのか、という一点で悩んでました。読まれさえすれば、面白さに気づいてもらえる、評価される、と思っていたのですね。きっと多くの人が、読まれさえすれば……、と思うはずですが、よく考えてみれば、それってプロ作家も同じじゃないか、と思えてきた。

例えば僕たちが書店に行くと、どんな小さな店でも1000冊くらいは文庫本がある。一方で、それが世界にあるほんの一部だから、という感覚もあるからでしょうけど、面白い本がこれだけある、と見ている人は感じる。ただ、僕たちがその1000冊を全部読むことは簡単にはできないし、全部のあらすじを読むことさえも簡単にはいかない。つまり僕たちは「面白い本」と認識しながら、結局は「読んでない」ということではないのか、と思うわけです。

そんな読まれない形になってしまっている本を書いた作家さんは、僕たちアマチュアが感じるように、「読まれさえすれば評価される」という感覚を持っているのではないか。要素としては、紙の本を出している、これだけ収入がある、みたいな視点が持てるだけアマチュアよりは楽なのかもしれませんが、「読まれない」という苦しみはプロになれたとしても、永遠に付き纏うのかな、と僕は思うようになりました。

まぁ、頑張りましょう。まだまだ道は果てしないですから。地道に。

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