Eternal Monsters
浅瀬乃陽
第1話
「…っ、はぁ、はぁ…」
逃げる。とにかく遠くへ。
「はぁ、ねぇ!楠凪くん!楠凪くん!逃げるなんて、見つかったらどうすんだよ!」
この声は…ああ、あいつか、訓練では最下位なくせに逃げ足だけ早い。名前はたしか…レオンだったか。
「も…戻ろうよ!ほとんど、みんな死んじゃったけど…隊長や教官たちはいる!逃げるなんて…よくないよ!」
お前はどうなんだろうか。その優しさが命取りだというのに、脱走兵を前にして引き金も引けない奴が。
…そうか、みんな死んだのか。
いや、正確に言えば…俺が見殺しにしたのか。
「く…楠凪く…あ"あ"⁉︎」
レオンの方を見る。左足を抜かれたらしい。
どうも狙撃手がいるようだ。
「ま、待って!楠凪く…まって!助け…
あ"あ"あ"あ"‼︎」
ドス!ドス!ドス!
下手な狙撃手だ。動かない相手の心臓を1発で貫けないとは。…だが、俺が狙われるのも時間の問題だ。たしかこの先に脇道があったはず。
そこへ行けばなんとか…
ふと後ろを見る。少し遠くに一人の少年兵が倒れている。なんだろうか、あいつの懇願する顔と絶望した顔が、いやに印象深く頭に残っている。
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