妹と家族に虐められていた聖女の私が妹を虐めたと婚約破棄されました。 婚約破棄国外追放されたので国を出ますが貴方達は恐ろしい目に会いますよ

甘いからあげ

第1話 馬鹿婚約者は溜息をつきますが溜息をつきたいのはこちらです

 「クラリッサ、お前に婚約破棄を告げてやる」

はぁ?言葉は聞こえたが、正気を疑う言葉だった。

実家のダウェンポート家領と婚約者のハーツホーン家領を守っていた聖女の私を婚約破棄って。

そんな事したら恐ろしい事になるという事ぐらい分からないのでしょうか。

分からないんでしょうね、なにせ婚約者のアルジェフはハーツホーン家嫡子という事以外は何の取り柄もない

馬鹿なのですから。

 「あのね、アルジェフ。私は貴方の事なんてまったく愛していないけれど、貴方は伯爵令息私は男爵令嬢。

恋愛してる男女が別れるとはまったく別のなのよ」

なんでこんな事を一々教えないといけないのかしら。

私は馬鹿婚約者の教育係ではありません。

 「はぁ~」

馬鹿婚約者がわざとらしく馬鹿な溜息をつく。

 「はぁ~」

溜息をつきたいのはこちらなので私は賢そうに溜息をついておいた。

 「おい、なんだその溜息は」

 馬鹿婚約者は私が賢そうな溜息をついた事が不満なようです。

 「溜息をつきたいのは私の方だから溜息をついたのよ。それが何か不満かしら」

 「溜息をつきたいのはこっちだ」

 「溜息をつきたいのはこっちよ」

 頭お花畑の馬鹿と話してると頭が痛くなってきた。

 「そうか、もういい。情けをかけて黙っておいてやろうとしたんだがな。

クラリッサ、お前は妹のユフィを虐めていただろう」

 はぁ?虐められてたのは私の方なんですが。

両親はユフィだけを可愛がり、妹は私の物をなんでも欲しがった。

妹の欲しがる物をなんでも渡さないと、家族にリンチされた。

 「あの、私が虐められていたぐらいなのだけれど」

 「はっ、でたらめを言うじゃないか。どこにそんな証拠があるんだ」

私の傷だらけの体が証拠なんですが。

まぁ、どうせ傷を見せても"ユフィがやった証拠なんてないだろう"だの言うんでしょうから、言うだけ無駄ですね。

 「私の傷だらけの体よ。この傷は両親とユフィがつけたのよ」

 「ふん、そんなのお前が自分でつけても他の誰かがつけたのかもしれない。

なぜユフィがつけたと言えるんだ。

 ああ、やはりそうですか。

私に傷をつけられる人間なぞこの国にどれだけ居るというのでしょうか。

 「私に傷をつけられる人間がこの国にどれだけいるというのかしら。まぁ、馬鹿に何言っても無駄よね、もういいわ」

 アルジェフは馬鹿という本当の事を言われ顔を真っ赤にして怒っている。

 「な、俺が馬鹿と言ったか」

 「ええ、言ったわ。それがどうかしたのかしら」

 アルジェフの顔は赤の限界を突破しそうだ。

 「俺ならお前に傷をつけるぐらい容易い。証明してやる」

 アルジェフは剣を抜き近づいてきました。

 やれやれ、勉強も訓練もしていない貴方が私に傷をつけられるわけないじゃないですか。

 泣かしてやりましょうかねぇ。

 

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妹と家族に虐められていた聖女の私が妹を虐めたと婚約破棄されました。 婚約破棄国外追放されたので国を出ますが貴方達は恐ろしい目に会いますよ 甘いからあげ @pankana

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