能動の真実追求《Lie Detector》
右京虚宇
イジョウナニチジョウ
第1話イジョウナニチジョウⅠ
僕、米村正美は、罪を犯しました。
その結果、僕の大切な女性である花江瑠美が死んでしまいました。
そう書かれた日記が見つかったのは、事件から3週間後、解決不可能と云われた殺人事件の被害者と加害者が通う高校だった。
警察から話しがあると言われても僕は何も驚かなかった。
僕が驚いたのは、生徒指導室という聞き慣れない部屋に案内してくれた刑事さんがとても美人だったことと、僕の話し相手(取り調べ相手と言うべきだろうか)が同級生の雲谷もやだったことだ。
雲谷業幸もやなりゆき、珍しい名前だったから覚えていたが、そうでなければ忘れていただろう。クラスでも目立たない奴だった。委員長の白崎しらさきが気を遣って話しかけていたような気がする。
口を開いたのは、雲谷の方だった。
「雲谷業幸だ。米村と同じ27HRだ。少しの時間、悪いが僕と話してもらう。」
自己紹介かよ!流石に同じクラスに居たらわかるっての。
「あぁね、えぇと、米村正美です。雲谷は、確か白崎さんと仲が良かったよね?」
顔が知れていたことで少し安心したようだ。幾分表情が柔らかくなった。
「最初に言っておくとここで話したことが証拠になって警察に捕まるといたことは原則ない。ただ、ひとつだけ約束してもらう。ここで僕に嘘をつくなよ。」
そう言った雲谷の顔を僕は、初めて直視した。雲谷もこちらを見ている。
「結構男前だろ?」
僕のおふざけに、少し迷った顔をして雲谷は
「いや。」
と答えた。こいつが1人の理由がわかった気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます