第3話 天使の魔法
「ママ、なんだかお熱があるみたいなの・・・」
その日、ゆうちゃんのママはとても苦しそうでした。
ゆうちゃんも心配そうにママを見守ります。
「だいじょうぶ?」
ゆうちゃんにはその言葉しか思いつきませんでした。
「だいじょうぶよ」
ママは答えました。
でも・・・
その夜、パパが帰って来ると、
「ゆう、今日はママを先に寝かせてあげようね」
と言うのです。いつもママにおはなしを読んでもらって寝るゆうちゃんにとっては、素直に「うん」と言ってあげられません。
「・・・・・」
ゆうちゃんが黙っているとパパが、
「今日はゆうが、ママにおはなしを読んであげたらどうだ?」
と言いました。
ゆうちゃんはなんだかママになった気分になれて、ちょっと嬉しくなりました。
「うんっ!」
その夜、ゆうちゃんは自分で考えてお話してあげると張り切っていました。ママも嬉しそうです。
「ゆうちゃんのおはなし、はじまりはじまりぃ~♪
むかぁ~し、小さな家にパパとママと可愛い女の子が住んでいました。あ、これ、ゆうちゃんね♪
可愛い女の子はママが病気になったので、頑張ってお手伝いをしました。すると・・・」
おはなしはここでおしまい。
なんとゆうちゃん、寝ちゃいました。
その寝顔はまるで天使。
ママはゆうちゃんの寝顔を見ているだけで元気をもらえました。まるで魔法です。
皆さんの家の「天使」たちの寝顔。
ほらっ♪どんなお医者さんより元気をくれるでしょ?
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