第12話  大団円

 僕の怪我が治った後、インゼはパブで歌う。


 スポットライトが当てられ、緑色のドレスを着た、インゼ。


 その声はどこまでも清らかで力強く、人々をどこまでも魅了し続けた。


 歌い終えると、拍手が鳴りやまなかった。


 いつまでも、いつまでも鳴り響く。


 インゼは、何度もお辞儀をした。


 その瞳には涙を浮かべた。


 僕もなんだか泣きそうになった。


 そして一人の女性がパブに入る。


 それは奴隷ではない一人の大柄のエルフ。


 「お母さん!?」


 「インゼ!」


 インゼがその女性に駆け寄り、母親はそれを受け止める。


  僕とインゼは再び歩み始めたのだ。


  幸せをつかむ旅へ。


  

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