幽霊より怖いメンバーでのGhostphobiaなのにゃ 1

『《夢冥アリス/山神ミタマ/白井モモカ》お化けより怖いメンバーでのGhostphobiaなのにゃ《ミラライブ二期生/ミラライブ三期生/ミラライブ四期生》』


「今すぐにでも帰りたいにゃ」


『ふふっ、みーちゃんってば震えちゃって可愛いっ』


『先輩、私が守るので安心してください!』


「本性が出てないうちはどっちも可愛いのがまた性質たち悪いのにゃ」


【コメント】

:異色のメンツすぎるwww

:ミタマちゃんのSAN値がぴんち

:お化け逃げてぇ超逃げてぇ

:誰もホラゲーに怯えてないの草なんだわ

:今日は語尾はいつまでもつのだろうか


「えー、とりあえず自己紹介からしていくにゃ。まず、ミラライブ三期生、不憫担当とか常識枠とか言われてるけど実際にはゲーマー枠、山神ミタマですにゃ」


『はーい、ミラライブ二期生のアリスでで~す!配信前にシイッターでは『敵として出てくる側だろ』とか言われてたんだけどお前たちもこっち側になりたいのか?って思いました~』


『四期生の白井モモカです!実はホラーゲームは結構苦手なので先輩方にご迷惑をおかけしないように頑張ろうと思ってます、よろしくお願いします!』


「モモカちゃんがホラー苦手は予想外だったけど、とりあえずゲームの説明からしていくにゃ」


このゲームは、怪異が潜んでいる建物に調査に向かう調査員としてプレイするもの。

アイテムを駆使して怪異が残した痕跡を探り、その特徴から怪異の種類を特定するというものだ。

また、時々怪異に息を吹きかけられたり、電気が消えたりといった霊障が起きたりする。更には時間をかけすぎたり霊障に遭遇したりでSAN値を削られすぎると幽霊に襲われてやられてしまう、といった感じだ。怪異の種類によってはSAN値があまり削れていないタイミングでも襲いに来たりはするのだが。

ちなみに怪異が襲いに来ているタイミングでは建物の入り口の扉がロックされていて逃げられなかったりする。


「正直、慣れたらあんまりびっくりすることもないんだけど初心者のうちはクソ怖ゲーなので今回はモモカちゃんが先頭に立ってもらう予定だにゃ」


『なんで!?怖いの嫌ですよ!!!』


『お化けに殺されるかもしれないのと、先輩に殺されるのどっちがいい?』


『しれっと怖いこと言うのやめてもらっていいですか!?』


「ま、ホラゲー配信見に来て誰も怖がらずに淡々と特定進めてたらみーだったら配信をそっ閉じするのにゃ」


『そうだよ。リスナーさんたちが求めてるのはモモカちゃんの悲鳴なんだよ。ていうか私も求めてる』


『本音は後者ですよね??』


そんなことを言って抵抗しながらも、懐中電灯や温度計などのアイテムを持ったモモカを先頭に三人は今回のステージとなる建物に入っていく。


「ちなみに難易度はそこまで高すぎないレベルにしてるからどんどん奥行っちゃって大丈夫にゃ。温度計を使って温度を調べて、他の場所と比べて寒くなってるところがお化けのいるところになるにゃ」


『ほらほら、さっさと進まないとSAN値がどんどん減っていっちゃうよ??』


『随分と楽しそうですねアリス先輩!!!』


以前にサキと一緒に配信した時のような狂気とまではいかないが、怯えるモモカの声を聴くアリスの表情はまさに恍惚といった印象。その声からもわくわくが伝わってくる。

……まぁ、そんな可愛らしい声が孕む狂気がまたモモカの恐怖心を増大させているわけだが。


『あ!!ここ!!ここだけ温度が低いです!!なんなら白い息も出てきました!!』


「お、じゃあ場所はそこで決まりかにゃ。じゃあこれを使ってお化けに話しかけてみるにゃ」


そう言ってミタマがモモカに渡したのは、ボイスレコーダーのようなもの。


『……なんですかこれ』


「これはスピボっていって、ゲーム内VCでそれに向かって話しかけるとお化けの方から返答があることがあるアイテムにゃ。ちなみにこいつは多分一人じゃないと反応返してくれないタイプのお化けだからモモカちゃんがやってる間にみーたちはアイテム取りに一旦戻るにゃ」


『じゃ、頑張ってねモモカちゃん!』


『すっごい他人事だし先輩からの扱いの酷さに泣きそうだけどアリス先輩が可愛すぎて怒れない自分を殴りたい』


そんなことを言いながらも、スピボを起動して話し始めるモモカちゃん。


『えー、幽霊さーんどこにいますかー?おるんやったら返事しやがれくださ~い。ワレあんまビビらせよったらしばき回すでな~』


『わっ、モモカちゃん可愛い!』


「これを可愛いと思えるアリス先輩の感性は相変わらず理解できんにゃ」


【コメント】

:いきなり圧かけるのほんと草

:唐突な二重人格好き

:なんだろう、四期生全員おもちゃかな

:怪異相手に脅しつけるの草

:お化けの方が怖がってそう


『あれ、反応ない感じ?』


《くぁwせdrftgyふじこlp》


『うわああああああ?!!?!なんか言ってました!!何!!なんかネットミームみたいなの言うてましたわコイツ!!!どないしたらええでっか!?!?!』


「うん、一旦落ち着くにゃ。ユウカ先輩レベルの関西弁出てるから」


『はぁ……モモカちゃんは私の天使だったんだね……』


「絶叫するのを見て天使って本当に狂ってるとしか言いようがないにゃ。もうちょっとしたらみーたちもそっちに戻るからちょっと待っててくれにゃ~」




『はーい、私たち戻ってきたよモモカちゃん』


『先輩たち今ダメ!!多分襲いに来てる!!』


「『え?』」


怪異の特徴の特定用のアイテムを持ってきた二人が振り返って今入ってきた扉を見てみると、さっきは開いていたはずの扉が閉まっている。また、試しにドアノブを捻ってみても反応はない。これは……。


「やばいにゃ!!!これ全滅するコースだにゃ!!!」


三人の画面に映っているのは黒いもやのような存在。それがゆっくりと三人の方に近づいてきている。


『うわぁぁぁぁ!?テメコラマジでふざけんなよ!?お前の顔覚えたでな??次会うとき覚えとけよゴルァァァァ!!!!!』


……そう、モモカが言った瞬間、怪異と思しき影のタゲが変わる。次の標的はアリスのようだ。


『あら、私と一緒に遊びたいの?いいわよ?じゃあまずは何して遊びましょうか」


いつも通りの無邪気な声で冷静にそう言うアリス。その声を聞いた影は怯えたように一瞬動きを止めて方向を変え――――――――。


「なんでみーがタゲられなきゃいけないのにゃあああああああああああああ!?!?!」


このゲームを何度かプレイしてきた経験から少し離れたところのロッカーに隠れようとしていたミタマに襲い掛かったのだった。

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