ミラライブ麻雀王決定戦 4
東四局。
前局の役満のせいで、せっかく一度は浮いた点数がまたマイナスだ。
現在の一位はアリシア先輩、二位がメグ先輩。そして私が三位でミタマちゃんが四位だ。
この局は特に何も起こることなく普通に流れ、流局。
…かと思われたのだが。
「ふぅ…。流し満貫にゃ」
「おっと!ここでみーちゃんが流し満貫達成だぁ!!!ていうか全然気づかなかった…。気配殺しすぎじゃない?」
「FPSプレイヤーにとって気配を消すことなど造作もないのにゃ」
「うーん…。そこまで凄いと思えないのがこの卓のやばいところだ…」
この親の流し満貫で4000オール。最下位だったみーちゃんが再び浮上し、今度は私が最下位だ。
一本場。
ここで私に大逆転のチャンスが。
「これは…」
配牌時点でのことだ。
私の配牌は九種九牌。
先ほどから全然思うように和了できていないので流れが最悪だ。
当然、ここで私が採れる選択肢は3つ。
国士無双や全帯系の手を狙うか九種九牌で流すか先ほどのミタマちゃんのように流し満貫を狙うか。
一巡目でのツモは中。これで十種十牌だ。
ここまで悩ましい配牌も珍しいが…。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ふう…。これで一向聴…。
結局国士を狙うことに決めた私。
現在6巡目で早くも1シャンテンだ。
あとは東か九筒をツモって来られればテンパイ。和了れれば大逆転でトップに浮上。
と、そんなことを考えていると…
「あ、その發ポンですわ」
「っ!?」
メグ先輩の鳴きに過剰に反応する。とはいえそこまであからさまではなく、思わず反応してしまった程度の演技を。
「その九筒、ポンじゃ」
「オワタ」
「サキちゃん国士やってるものね。かなり和了りの目は薄くなったかしら?」
「九筒も發も残り一枚しかないのにどうやって和了れと…」
アリシア先輩の鳴きの後、メグ先輩が切ったのは一索。初めに萬子と筒子を多めに切っているので索子混一色のテンパイ気配濃厚だ。
「はあ…メグ先輩テンパってるし…。降りるしかないじゃないですか…」
そう言って切るのは一萬。ツモ牌を手牌に入れ、手出しだ。
「にゃ?まだ一向聴だと思うのにゃけど?」
「え?」
「ええ、みーちゃんの言う通りまだ一向聴ですわよ」
怪訝な表情を浮かべる二人。
よくよく見れば、メグ先輩の河にはまだ字牌が少ない。それに一索なんて字牌より先に切ってもおかしくない。
降りる判断もあるが…国士なんて大物手をやってるなら突っ張ってもいいレベルだ。
「ッス-…。では皆さんで続けてくださいませ」
「あ、サキちゃんが諦めたにゃ」
「メグちゃんみたいな口調になってるよー」
【コメント】
:さて、誰が国士に放銃するのか
:演技派だなぁ
:あそこで東ツモってくるのもやばいけどなw
:九筒…
:ていうかヒラで国士テンパイて普通にやばくね
:まあ、馬鹿みたいな数え役満の後やしな
今頃コメントでは私の手牌を見た視聴者のコメントが爆速で流れていることだろう。
この二つの鳴きによってほぼ死に手と思われているこの国士。
しかもまだ7巡目だ。ここからツモ切りだけをしていれば九筒をツモってくるか誰かが振り込んでくれるのは間違いなし!
…え?誰かが使ってる可能性?
…そんなの考えてるようじゃ役満なんて出せないよ。
そして、その数順後のこと。
「ふむ…。カンじゃ」
「御無礼、それロンです♬」
「な!?」
「おっとここでサキちゃんの槍槓国士炸裂だぁ!!嘘でしょ!?漫画ぐらいでしか見ないレベルの珍しさなんだけど!?」
ずっと完全に惚けた顔をしていた私、アリシア先輩が加槓した途端に満面の笑みを浮かべて手牌を倒す。
「お主…謀りおったな…?」
「やだなぁ、そんな怖い顔しちゃってぇ!麻雀なんて騙し合いのゲームじゃないですかぁ〜」
「アリシアちゃん!気持ちは分かるけど落ち着いて!!サキちゃんも煽るな!」
殺気すら漂わせるアリシア先輩から32300点分の点棒を受け取る。
これで一気に立場が逆転して私がトップだ。
とまあ、ここからの四局はあまり点数の変動はなし。
そもそもイカサマなしのヒラの麻雀で役満やらの大きい手がここまで出るのがおかしいのだ。
結局みんな数度和了った程度で、一回目の半荘終了時点での順位変動としては細かい和了りや罰符も含めて次の通りだ。
一位:狐舞サキ
二位:天使メグ
三位:アリシア・デ・ラスフォード
四位:山神ミタマ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今回でやっと半荘一回終わったよ(あまりにも長すぎるから南場全スキップ)
ヒラでこんだけバカスカ高い手出る場なんていくらなんでも不自然だし(手遅れ)、かといって普通にちょぼちょぼした麻雀を長々と、しかも面白く書くなんて不可能が過ぎる㌨
てことで次回はイカサマ有りの楽しい()麻雀にしよっかな…
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