花の厭穢の能力

 

「八峡、私は準備をするわ」


「あ?なんの」


「術符を使う準備よ」

「大体三分あれば良いわ」

「その間に援護して頂戴な」

「相手の能力も確認しておきたいわ」


「了解ッ」

「そんじゃ、まあ」

「ぶっ殺してやるよ厭穢がよォ!!」


(バッグの中から)

(士柄武物を取り出す)

(一バックに約三十振り)

(士柄武物の刃物部分に)

(星と日の術符を突き刺して地面に刺す)

(この工程で約四秒)

(三十振りで百二十秒程)

(多く見積もって三分)


(花ァ踏み潰す度に)

(液体が足に纏わり付きやがる)

(その液体が他ん花に引っ付いて)

(まるで泥に足を突っ込んだみてェに)

(動き辛ェ)

(行動を制限する厭穢の能力かッこりゃッ)

(ッ鹿みてぇな面が開いた)

(何か飛んで来やがるッ!)

(ッお嬢ッ!!)

(鼓動を加速ッ!)

(―――なんだ、こりゃ)

(棘?いや、これは種か?)

(触れたらやべェかも)

(なら、全部士柄武物で叩き落とすッ!)

「しゃアおラァア!」

「ぐッ!」

(種が、掠ったッ!)


「ッ!や、八峡ッ!」


「あ?!どうしたお嬢ッ!」

「貴方、さっき頭に弾がッ」


「弾ぁ!?あ。ありゃ種だッ!」


「あ、なるほどッ……く、ふ」


「ッなんだ、お嬢」

「大丈夫か!?」


「ふ、ふふっや、八峡ッ」

「あ、貴方……頭に花が咲いてるわっ!」


「命懸けの戦いなんだけど!?」

「真面目にやってくれお嬢ォ!」


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