もしも
「もしも私が」
「贄波家じゃなかったら」
「そう考えた事は」
「何度もあったわ」
「普通の学生として」
「人生を歩んでみたいって」
「普通の祓ヰ師として」
「戦いに投じて見たいって」
「けれど」
「どれ程のもしもを考えても……」
「やはり私は」
「贄波家しか無いの」
「この家系に生まれて」
「この家系に尽くす」
「それが」
「私が生まれた意味」
「だから」
「贄波家の為に生きる」
「そんな生き方に嫌気をさした事は無いわ」
「どれ程否定されても」
「この家系が大切だから……」
「だから」
「現当主である」
「お婆様に認められたかった」
「けど」
「お婆様なんて」
「関係無かったわ」
「贄波家の為に」
「お婆様を打ち倒す」
「真正面から堂々と」
「お婆様が頭を下げる程に」
「私は強くなるわ」
「力を、取り戻して見せる」
「だから界守」
「貴方は私の隣に居て頂戴」
「私の隣で」
「当主になる様を見届けなさい」
「……はい」
「勿論で御座います」
「私は」
「お嬢様のお傍で」
「その最期を見届けるつもりですから」
「……さて、と」
「これからどうしましょうか」
「もう家には戻れないから」
「何処か別の宿でも取らないと」
「それならば」
「良い場所を知ってます」
「そう」
「何処なのかしら?」
「ラブが付くホテルです」
「そう」
「一人で行きなさい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます