やかいは しがらぶ ぶつをて にいれた



「……」


「……」



「ぎぁッ」

「が、はッ」

「い、いきなり殺す奴があるかぁ!!」



「逃げるお前が悪い」


「いや殺す方が悪いだろうがよッ!」


「五月蠅い奴め」

「生き返るのだから良いだろうが」

「そういう」

「契りである以上」

「お前は俺の攻撃では死なない」

「不死身なんだ」

「有難く思え」



「取り敢えず」

「出会い頭に殺すのだけは」

「勘弁して下さいよ」


「……」

「はぁ……」

「先生」

「俺ァ今日」

「退院したばっかなんすよ」

「最早殺すなとは言いやしませんけどね」

「今日ばっかりは訓練をしようなんて」

「唐突に思い付かんで下さいよ」


「なんだお前」

「口の利き方が気持ち悪いな」


「……あー、どうもすんませんねぇ!」

「身分相応の態度ってモンを覚えようとしたもんでッ!」

「ケッ、態度を改めたの、間違いだったわ」


「そうか、お前の事はどうでもいい」

「それよりも、俺の用事を済ませる」

「……癪だが」

「かなり癪だが」

「それでも」

「一応の約束だからな」


「うおッ!」


「……」


「これ」

「この、士柄武物」

「い、五十市さんのッ」


「一応は」

「約束だからな」

「カタチはどうあれ」

「お前は帰還した」

「約束は守られた」

「だから渡す」

「五十市依光の士柄武物を」


「……」

「本当に」

「良いんだな?」

「後で」

「回収とかしねぇよな?」


「約束は絶対だ」

「それだけは破らない」

「贄波阿羅の名に懸けてな」


「……まあ、それだけだ」

「無価値を訂正しよう」

「お前は」

「砂粒程の価値はある」


「……」

(嬉しくねぇ評価の改め)


「今日は帰る」

「明日からまた訓練だ」


「……ッ」


(日頃の恨みじゃあッ!)

(死ねェ贄波阿羅ァ!)


「四か月前も言ったぞ」

「他者の隙は」

「慢心か誘導の何れかだ、と」


「………」

「いや、言ってねげばがぼぉあッ!!」


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