婆に報告出来ません

「界守」

「車の中でした事」


「はい、勿論」

「ご内密にしておきます」


「そう、それならいいの」

「それじゃ、界守」

「戻りましょうか」


「はい、お嬢様」

「それでは」

「お屋敷に戻れば」

「まず、如何しましょう?」


「そうね」

「先にお婆様に報告」

「その後は」

「疲れを癒す為に」

「お風呂にでも」

「入りましょうか」


「承知しました」

「夜分遅くではありますが」

「先に湯を張っておきます」


「えぇ」

「お願いするわ」

「私は」

「このまま」

「お婆様の元へ向かうから」


「では」

「一度」

「失礼します」


「そうね」

「また後で」


「………え?」

「お婆様」

「今日は家に戻ってない?」

「……そう」

「なら、仕方が無いわ」

「お婆様が戻ったら」

「言伝を頼むわ」

「贄波璃々が」

「転生者を倒した、と」

「………えぇ」

「お願い」

「………」

「まあ、そう簡単に」

「認めて貰えるとも」

「褒めて貰えるとも」

「思ってわ、無かったわ」

「ただ」

「ほんの少しだけでも」

「見る目が変わってくれれば……」

「そう思っただけですもの」

「………居ないのなら」

「仕方が無い、事」

「……お風呂に入って」

「そのまま」

「今日は眠りましょう」

「………は、ぁ……」

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