悠々自適なセカンドライフを目指して頑張ります。
うすしお
第1話 ニ度目の人生
死について、深くは考えてはいなかった。
いつか、私にも死はやってきて、そのいつかは今日なのか、明日なのか、それとも十年先の未來なのかわからない。ましてや、死んだ後のことなんて、考えてもみなかった。
生まれ変わり、或いは転生。
異世界転生。
私の第二の人生は、前の人生とは違う世界で始まった。
魔法がある。動物もいれば、魔物もいる。
大抵の人はギルドってところで登録してハンターをしている。生きたきゃ勝手に生きろ精神が半端ない。前世で訳あって無職だった私には厳しい試練だ。働きたくないから、無職だったのに、なぜに、生まれ変わった世界はこうも弱肉強食なのだろうか。
私は、ただ楽に生きたいだけなのに。
「どうして、神はこのような厳しい試練を私にお与えになるのでしょうか」
私、可哀想。
「いや、働きなさいよ」
「嫌です」
「エマ、あんたね」
そんな心にもないことを言うこの人はギルドの看板受付嬢のアリスさんだ。
因みに、エマはこの世界の私の名前。
「あんただけなのよ! このハンターギルドでそんな事言ってる人間は!」
「アリスさん、私はただ悠々自適な生活を送りたいだけなんです。働きたくないんです!」
「いいから働きなさいこの堕落人間! はい、これ今回の依頼書」
「あーいやだいやだ。これだから婚期を逃し、」
「何か言ったかしら?」
「あ、いえ、何でもないです。それじゃあ……依頼に行ってきます」
今回の私の依頼は農作物を荒らす魔物討伐。
「ありゃ~うじゃうじゃいるね」
『一角兎』。
角は煎じれば、薬の材料になり、肉質は柔らかくて美味だ。
「恨まないでよね、兎さん達!!」
だって、これがこの世界のルールなんだから。
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