改稿=楽しさ50%+辛さ50%

 現在、絶賛改稿作業中である。

 初稿を書き上げれば第二稿が始まり、第二稿が終われば第三稿が始まる。

 そうやって原稿の完成度を高めていくわけだけど、この改稿という作業は割と地獄である。まあ初稿を書くときも地獄には変わりないし、そもそも小説書くのが地獄なので、どうやっても地獄なわけだが、それぞれに地獄の種類が違うからなんとも言えない。

 とは言え改稿作業にも楽しい部分はある。

 初稿はプロットに沿って書いているとは言え、やはり無駄な部分があったりする。もしくはキャラが勝手に動いて、予想を超えた展開やセリフが飛び出たりする。そんなしっちゃかめっちゃかな原稿の中から、残した方が良い部分、消したほうがいい部分、あるいは足し引きをするべき部分を見極めて、その通りに直していく。

 場面をごっそり削ったり、キャラの性格をちょっと変えたり、もしくはセリフや言い回しを直したり。そうやって原稿の贅肉(?)みたいなのをゴリゴリ削るのはとても楽しい。その削りが上手くいったらとても良い気持ちになれる。他の人がどうなのかは知らんが、僕は改稿作業の醍醐味はここだと思っている。

 ただ同時に辛いものもある。

 初稿のときに「これは素晴らしい!」と思ったセリフがゴミだったり、「この展開は残したい! 俺のこだわり!」と思ってたシーンが邪魔だったりする。それを消してしまうのが非常に辛いのだ。

 もちろん、そういう無駄なこだわりを消してしまったほうが作品的には良くなる。今までの経験則的に分かっているが、これがなかなか難しい。

 こだわりとは、ある種の愛着だ。だから、こだわりは作品を愛するために必要だ。作品を愛せないと作品は面白くならない。しかしその「こだわり」の中には、愛着に見せかけた執着が潜んでいたりする。そして消したほうが作品的に良くなるのは、そういった「執着からなるこだわり」なのだ。

 ただこれを見分けるのはとっても難しく、一筋縄ではいかない。きっと頭を冷ましたほうが冷静な判断ができるのだろうが、冷ましすぎると改稿作業なんてできない。となると、ある程度どうにかしてる頭で改稿をするハメになる。

 だから改稿作業は楽しく、そして辛いのだろう。

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