ただ眠る人
両の手を切り落とし
両の脚を切り落とし
心の
臓腑を取り出し
これを掲げて
空を見上げてみると
もしかしたら≪世界≫が見える気がするんだ
両の手を切り落とし
両の脚を切り落とし
背の
脳味噌を取り出し
これを抱きしめ
地平線を見た
日が沈む ただの世界だった
うちの裏側が赤々と
輝き吐き出され
散らばり花弁のごとし
痛みは消えず
この想い、どこにも生けず
今日も世界の果てを望み
夢うつつ
寝床の生ぬるい
すべてを切り落とし
なくした今も夢を見る
春がこようと
夏を迎えようと
秋が訪れ
冬を受け入れ
なくした夢を見る
辛く悲しくとも
痛く苦しくとも
迎える体を縮こめる
透明な
ただ ただ 眠らせてくれない
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